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「さっき、ほんとはちょっと妬いちゃった」
ヤイチャッタ、と言われて変換に時間が掛かっている間に、Aちゃんは僕と校内を歩いて心に浮かんだモヤモヤをちゃんと話してくれた。
ちゃんと話すって、すごく大事や。
やっぱり僕の想像の外にいる君が、急に僕の事好きやとか言って僕を翻弄する君が、何を感じて何を考えてんのか。
僕はすごく知りたいから。
「…それは僕も」
「うん?」
「マルの事名前で呼んでんの聞いて、マルにちょっと妬いた。僕、呼ばれたことないのに」
「しょうた?」
「!!」
―――破壊力よ。
彼女は多分真っ赤になっているだろう僕の顔を見て、機嫌よさそうにクスクス笑った。
僕は急に居心地が悪くなって、おもむろにペンケースの中から準備していた2番目の付箋を取り出したけど、
…やっぱり、気が変わった。
「章大君、次の付箋開ける?」
無邪気に僕に向かって差し出された手を捕まえて、僕の方にそっと引っ張って耳元でささやく。
「―――ふたりきりになれるとこに行きたい」
引き金を引いたのは君やからね。
Aちゃんの顔を覗き込んだら、ちょっと赤い顔でうなずいてくれて
「じゃあこれは、また今度」
取り出した付箋は、また大事にペンケースにしまいなおした。
また、次の初めてがいっぱいこん中にある。
初めて見る君と、初めて見せる僕。
僕は何回でも何十回でも、初めてを君と―――。
Fin
**********
きりん虫より
おまけの短編が鬼長くなり、ここでページがいっぱいになりました…。「初めて」とかいって超匂わせタイトルですみません(汗)
ただのイチャイチャタイムですが、移行先が整いましたらお知らせしますので、お付き合いいただける方はよろしくお願いします!
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みき(プロフ) - 待ってます! (2021年4月14日 10時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - 私も待ちます (2021年4月14日 8時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - いい子で待ってます (2021年4月14日 8時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - イイ二人の世界だ〜(*´艸`*) (2021年4月14日 8時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 二度目の更新有難うございます!丸ちゃん、金木犀の香り…想像できます〜♪♪でも、連絡先交換とか名前で呼ばせるとか!?えっ!!丸ちゃんーー!!!って感じです!!笑 (2021年4月13日 19時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん虫 | 作成日時:2021年3月8日 9時