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◎Aside
店を出て、章大君が駅と反対方向に歩き出したからちょっと戸惑った。
そういえば今日はどこに行くんだろう。
章大君は未成年だから、お酒を伴わない夜ご飯だと勝手に思っていた。
目的を持って確固とした足取りで進んでいく章大君の後ろをついていく。
彼の手元でピッと音がして、少し先に停めてあった青い軽自動車のライトが点滅した。
え。車？
彼はそのままその車の助手席のドアを開けて、私に向かってにっこり笑った。
「どうぞ」
「どこに行くの？」
「まず乗って」
「シートベルトしてな」
「はい」
まさか車とは思っていなかったからちょっと気圧されたままで言われた通りにシートベルトを締める。
章大君、車運転できるのか。盲点だった。
「どこ行こうかいろいろ考えてたんやけど。どうしても決めらんなかったから車にした。一応僕の案はそれ」
章大君の提案は、なぜかダッシュボードの上に付箋で貼ってあった。
遊園地、動物園、海、ボーリング、ビリヤード、ドライブ…。
夜向きなのかわからない選択肢。
動物園って、今の時間空いてるのかな。
「Aちゃんも書いて。車やから遠くてもええで。運転は任せて。行きたいとこ書いて、そん中から選ぼ」
しきりに車を強調しながら、私に付箋とペンを渡してくる。運転が好きなのかな。
自分ひとりで決めるでもない、私に全部をゆだねるでもない章大君の姿勢は、とても好ましかった。
「一緒に決めよう」と言われるのは嬉しかったし、こんなふうに何かを誰かと決めたことがなかったから、戸惑いが大きい。
今までは、わからなくてもわかったふりをして自分ひとりで決めるしかなかったから。
正解を選び取るのは本当はすごく難しいことだと思う。
私は、章大君と何をしたいのか。
そんなことすら私は、決められない。
章大君はそんな私を見て、大人みたいな顔でニコッと笑った。
「その辺走るから、ゆっくり書いて」
.
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みき(プロフ) - 待ってます！ (2021年4月14日 10時) (
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cayochi(プロフ) - 私も待ちます (2021年4月14日 8時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - いい子で待ってます (2021年4月14日 8時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - イイ二人の世界だ〜(*´艸｀*) (2021年4月14日 8時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 二度目の更新有難うございます！丸ちゃん、金木犀の香り…想像できます〜♪♪でも、連絡先交換とか名前で呼ばせるとか！？えっ！！丸ちゃんーー！！！って感じです！！笑 (2021年4月13日 19時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2021年3月8日 9時
