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そこで俺の記憶はいったん飛んで、次の記憶は知らない大人の男の人に手を引かれて立派な門構えのでっかい屋敷の前に立っている俺。
俺はこの男の人に“かどわかされた”んやろうかと思ったけれど、もちろんそうではなくて。
その人が今まで会ったこともなかった俺の本当の「父親」で、俺の存在自体を認めていない継母を「お母さん」と呼ぶように決められる。
俺の立ち位置は、「愛人が捨てた子」で「組長の息子」。
つかの間「父親」に捕まえられたと思った手はやっぱりまたあっさり離されて、途方にくれる間もなく舞台は突然変わる。
家族として受け入れられている気配は全くしなかったけど、何もしないでも腹が空けばご飯が出てきて、温かい布団で眠れて、毎日きれいな服が用意されているだけで、そこはもう天国やった。
そもそも俺には、家族が何なのかわからんし。
家どころか学校にも俺の居場所はなかった。
そもそも勉強が好きやなかったし、「愛人の子」とか「やくざの子」とか言われて物を隠されたりクラスメイトに弾かれたりするのが日常茶飯事で、楽しい学校生活なんて送ったことがなかった。
母親と、父親と手をつなぐのは、誰かと手をつなぎ続けることは、もしかしたら当たり前ではないのかもしれんと幼いながらに漫然と思う。
「やくざ」が何なのかもちょっとずつ理解した。
普通の家やないのは連れてこられた時から何となくわかってたけど、家が普通やないのもまわりに色眼鏡で見られんのも今に始まった事やない。
俺にとってはそれはどうでもいい事で、とにかく腹いっぱい食えればラッキー。
「組長の息子」の役割はある意味わかりやすくて
できないあほのふりをしていれば誰も俺を咎めなかったし、楽な方を選ぶやり方が自然と身に付いた。
俺と手をつないでくれる人は、誰もいない。
男でも、女でも。
俺の外見を見て寄ってくる女もいたけど、俺から触ることはなかった。
触られんのも嫌で、誰ともまともに付き合ったことはない。
ずっとそうなら、そうなりに過ごすしかないやん。うまくたちまわらんと。
母親がいなくなったあの雨の日以来、いや、もしかしたらもっと前から、俺の存在は空気よりも軽い。
一番軽んじてるのは、他でもない俺かもしれんけど。
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きりん虫(プロフ) - You∞さん» You∞さんコメントありがとうございます！D.D.最高でしたね！そしてあの金と白のお衣装、御髪、、、！最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2020年12月2日 6時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
You∞(プロフ) - アーセナルの最後の一言にすべてを持っていかれました…ありがとうアーセナル、大好きだ。すっかりめっきり浮気お嬢さんな私ですが、ベスアのD.D.ポーズに爆笑できたので大満足です。最後になりましたが、とても素敵な作品をありがとうございました。 (2020年12月1日 16時) (レス) id: ef0b5894b5 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん！お付き合いいただきこちらこそありがとうございました！ (2020年11月26日 6時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - ナンデくん、最高で最強の運命の… アーセナルの最後の一言、ああ、大好き☆ありがとうございました♪ (2020年11月25日 9時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - You∞さん» You∞さんコメントありがとうございます！私もちょっと妄想したよ5人のD.Dw (2020年11月25日 6時) (レス) id: 5053440cc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年11月12日 9時
