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「この写真撮るのが日課なんだ。付き合わせちゃってスミマセン」
レンズから目線を外して振り返ると、素面の目で見てもやっぱり彼はちょっと見たことがないようなきれいな子だった。
同い年くらいに見えるけど、学生には見えないしもしかしたら年上かも。
整ったパーツの童顔も明るい髪色も外国の少年みたいに見える。宗教画みたいでもあるな。
一晩一緒に過ごした共有感はあるけど、やっぱりよく知らない人が家にいる感じはちょっと落ち着かない。
「ええと、コーヒーでも飲む？」
ト「僕大丈夫。Aちゃん飲みたいんなら淹れたげる」
返事をする間もなく身軽にベッドから飛び出してキッチンに消える男の子。
―――どうしても名前を思い出せない。
彼の淹れてくれたコーヒーはとてもおいしかった。
自分で淹れるコーヒーよりもスペシャルな味がした。隣にきれいな男の子がニコニコして座っているから余計に。
「いつもは夜明け前の写真を撮ってたんだけど、今日は間に合わなかった」
鳥たちが当てにしていたら申し訳ないと思ってベランダにパンくずを撒いてみる。
毎朝餌付けしているうちに仲良くなったつもりでいたけど、鳥たちは電線にとまってこちらを遠巻きに眺めるのみでこっちに近づこうとはしなかった。
嫌われちゃったかな。
ト「起こしてあげればよかったな」
「いいのいいの。これはただのジンクスだから」
ト「ジンクス？」
こてん、と小鳥みたいに首を傾げた男の子がかわいらしくて思わず笑ってしまった。
昨夜はすごく怪しげな雰囲気の子に見えたのに、朝日の下では純粋無垢な天使みたいだ。
「本当は写真を撮る前にパンくずを撒いておいて鳥を構図に入れるんだけど、今日は誰も入ってくれないや」
いい天気の日ばかりじゃないし、それこそ鳥たちを構図に入れようと思ったら鳥の気分次第でどうにでも変わる。
寝ぼけまなこをこすって撮る写真はたまにピントがずれていたりするし。
いい写真になるかどうかは、その日の運次第。
ト「見せて」
片付けようとしていたカメラはそのまま彼に奪われた。
撮った写真は画面に出るんだからそんなに顔を近づける必要はないのに、彼は片目をつむってカメラを覗き込んだ。
ト「ええ写真やし」
「全然だよ。そもそも私のカメラじゃないしうまく使いこなせてないんだ」
ト「誰のカメラなん？」
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きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ガムの背中は広くてあったかい☺️ (2022年2月25日 12時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 究極の愛の場所はそこなんだなぁと(*´-`)おんぶ( *´艸｀) (2022年2月25日 5時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» わーん！ブルームーンさん！ご無沙汰していました！ありがとうございます！！ (2021年2月27日 11時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - わぁいいお話…も一回読む♪きりんむしさんの青さんに会いたいなぁと思ってたんです(*^^*)ｳﾚｼｲﾅ (2021年2月27日 7時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさん！こちらこそありがとうございます！！！！！！大好きです！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年10月31日 16時
