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ト「ジョニー、僕ちょっとその辺見てきてええ？」
ジョ「ええよ。行っといで」
――まったく、これじゃどっちが年上だかわからんやん。
うきうきして今にも走り出しそうなトッポを好きにさせておいて、俺はぼんやりイワシの群れを眺める。水族館は平日ながらまあまあ混んでいて、子連れのお母さんやデート中の女の子たちが子供や彼氏の目を盗んでちらちらぴんくの目線を送ってくる。
こうやって大勢の人の中に紛れれば、俺はたぶんちょっと悪目立ちしてるくらいの普通の人間に見えているはず。
あのイワシの群れの中に紛れ込んだちょっと色の違う個体の中の一匹。
光の加減か、目の錯覚か、光を受けて時々虹色に輝くうろこの七匹。
吸血鬼はそれぞれ能力を持っていてそれは多かれ少なかれ人間の役に立つし、俺達は人間に親和的な吸血鬼やから、血をもらいながらも人間の生活に溶け込めていると思う。
遊んで、時々食べて、遊んで、働いて
寝ないけどその分また遊んで
人間やめた後の余生が楽しい。エイトにいるおかげで。
進路に迷ったらしいイワシが一匹、群れから飛び出して微妙にズレた方向に泳いでいく。
あれは俺かもしれん。
俺は吸血鬼になってからテレパシーの能力を得た。
その能力は無線機みたいなもんで、発信されている意識がなければ届かない。
人間はもとより、動物も植物もいきなり思考の内に話しかけられてびっくりしないやつはおらんし、理解できない事を無視するのは生物共通みたいでこっちから話しかけても無反応を通されることが多い。
気のせいやと思うんが普通なんやろうけど。
で、そんな能力があると知らなければ意識してこっちに話しかけてくる人もおらんから、結果俺の能力はあんまり役に立ったことがない。
今はみんなテレパシーより便利なスマホを持ってるし。文明の利器は偉大やな。
他のみんなの能力は今までもエイトや身近にいた人間たちをちょっと助けたりするのに役に立ってきたのに、俺はあんまり役に立ててない。
一人だけズレて、あのイワシとおんなじ変な方向に進んでる。
ジョ(もうちょっと右やで)
孤独なイワシに向けて飛ばしたテレパシーも虚しく無視されて、イワシはどんどん進路を失っていく。
ああ、無情。
ト「ジョニー、次ペンギン行こう！！」
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きりん虫(プロフ) - こあさん» こあさんコメントありがとうございます！来て欲しいけど考えてる事がダダ漏れてたら私は死にますw短編なのに長し！ (2020年10月25日 10時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - いつもお話ありがとうございます。律儀に突っ込むジョニーが優しい。わたしも神様とお話ししたい(笑)来ないかなぁ (2020年10月25日 4時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - You∞さん» アーセナルはライオン一択でした！長髪の赤さんビジュが最高！最強！ (2020年10月6日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
You∞(プロフ) - アーセナル…！ライオンを歌う彼の姿を思い出しました…ありがとう…。彼にはやっぱり、歌う姿が似合うのよ…しかもライオン…いかん鼻血が←（テンション高くお届けいたしております） (2020年10月6日 15時) (レス) id: ef0b5894b5 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ヨダレパシフィックw w妄想ありアマグランデでした (2020年10月5日 18時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
