破れた傘にくちづけ-動物図鑑-

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ジョ「どうしようエース。あの子のスイッチどうにかして切れへんかな」

エ「それができたら俺はこんなに苦労してない。お前も少し苦労すればええわ」



俺の能力が相手を認識しているかどうかに影響されるのに対して、エースの能力は物理的距離が影響するらしい。

だからエースの為にエイトの壁は防音仕様になっているし、エースは自分の部屋の防音性を更に高くしたうえ爆音で音楽流してたりヘッドホンつけてたりする。そうすればある程度は聞こえなくなるから。



おつかいのためにバスに乗ったあの日から、俺と夢子ちゃんのチャンネルはぴったりシンクロしてしまったらしい。

距離的には相当離れてるはずなのに油断するとすぐに彼女の声が聞こえてくるし、うっかりそれに何か反応したりすると相手に届いてしまったりするので、俺はちょっと辟易していた。

防音の部屋ならもしかして遮断されるかもと思って相談がてらエースの部屋に来てみたけど、やっぱり俺の能力に防音仕様は関係ないのかここに居てもばっちり聞こえる彼女の声。


(私のご飯は3日連続今日もカレーです)

(今日はご機嫌いかがですか？ちゃんとご飯食べてますか？)


3日目のカレー、おいしいやん。俺ドロドロ派やし。
…ていうかゴハンの報告いらんから。



エ「…今なんか交信しとんの？」

ジョ「ええと、今日食べたカレーについての報告」


おはようから始まって一日の出来事の報告に懺悔におやすみの挨拶まで。

いちいち俺に話しかけてくるから、若い女の子の日記をのぞき見してるみたいで落ち着かん。

油断するとうっかり反応してしまって夢子ちゃんに聞こえてまうし。





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