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マ「具合どう？顔色良うなったな」
「マックは？」
マ「昨日久々ベッドで寝たから充電されたわ」
昨夜私達は、“ひーらー”のジャッキーに好き放題お医者さんごっこをされた。
ノコギリでギブスを切られた事に始まって、「治療や」と言いながら、患部を好き勝手にイジられた。
ブラックジャック並みの個性的な治療。
くすぐったり、撫でたり、舐めたり…！
痛みはだいぶ引いたけど死ぬほど怖かったし恥ずかしかった。
ガムに制御しきれなかった私の情緒は、確実に私とマックを疲労困憊させ、挙句の果てにブラックジャッキーのベッドで一緒に寝るように言い渡された時は、余命宣告でも受けたかのような絶望感に襲われた。
マ「待って、2人で寝るんはあかん…。俺も一緒に寝る」
だからマックが絶望の淵でそうつぶやいた時、私はちょっとほっとしたのだ。
もっとも、ジャッキーのベッドで3人で寝るのも、割とカロリーが高かったのだけど。
吸血鬼は、基本寝ないらしい。
よっぽど衰弱した時に、仮死にはなるらしいけど。
じゃあなんでベッドがあるのか、と聞いたら、ジャッキーが真面目な顔で「俺らやなくて連れ込まれたニンゲンが寝んねん」と言ったので、そんなベッドに寝るのは嫌だ、と思ったけれども、暴君は止まらなかったし、暴君を止めるには私もマックも衰弱しすぎていた。
それで、昨夜はマックとジャッキーに挟まれて川の字で寝た。
眠ったのは私だけで、基本寝ないイケメン2人に囲まれての睡眠は限りなく浅かった。カロリーオーバー。
ぐちゃぐちゃな情緒を何とかしてほしいのに、頼みの綱のガムはお菓子作りが忙しいみたいで、私の口にカボチャパイとかハニージンジャークッキーとかを放り込んで、ついでに頭をポンポンしてキッチンに帰っていく。
ジャッキーが近づいてくるとつい身構えてしまうようになった私の体を誰でもいい、誰かどうにかしてほしい。
ト≪自業自得や≫
3日目、足は格段に良くなり、杖なしで歩けるようになった。
ご機嫌伺いにトッポにジャッキーのブラックジャックぶりをメールしたら、そんな返事が返ってきた。
まだ怒ってる。
神は死んだのか…！
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
