4 ページ25
.
それが昨日の出来事。
トッポが作ってくれた荷物には、下着も化粧品もその他もろもろ必要な物も、ギブスでも着られるから着ようと思っていたワン ピースの部屋着も全て完璧に入っていて、下着まで見られたのかと思うと心中は複雑。
お礼を言おうにもトッポはスンっとしたまま出稼ぎに行ってしまったみたいで、そこにはホントはマックが指名されて行くはずだったのに具合悪いからトッポに代わったんだとか言われたらますますもって、心中は複雑。
ガ「そやから俺やんか。おってよかったやろ？」
そんな気持ちを落ち着かせるために、“マインドコントローラー”のガムがソファの上で私の手を握ってくれる。ちょっと距離が近い。
私の定位置はリビングのソファの上に決まり、パソコンと資料を持ち込んで仕事をする間にも、キッチンからジャッキーとガムがやってきて休憩ついでに”治療“してくれていた。
昨日はノコギリを持ったジャッキーに巻いたばかりのギブスを切られたから、ガムがいてくれて本当に良かったと心から思う。
「お荷物でスミマセン…」
ジャ「かまへん。トッポはどうせ女子舌の味見要員やったんやから。Aが味見してくれたら問題ないわ」
キッチンからお茶を持ってきてくれたジャッキーが言う。
ガ「ジャッキーの新作、おいしいんやで。俺のスイーツも味見してな」
「…太っちゃいそう」
動けないのにそんなに食べちゃったら。
ガ「もうちょっとふっくらした方がええがな、Aちゃんは」
そう言ってさりげなく私の二の腕を触るガム。
ジャ「栄養足りてへんから骨もろいんちゃうの？」
ジャッキーはジャッキーで足をなでなでして、時々息をふー。
…ちょっと二人とも、触り方が破廉恥だな。
マ「んなッ、何をしとんねん！破廉恥やな！」
あ、やっぱりはたから見ても破廉恥なのか。
2階から降りてきたマックがこっちを見て真っ赤な顔で近づいてくると、捉えられていた私の手足は丁重に解放された。
ジャ「あーぁ、うるさいの来てもうたから続きはまた夜な。キッチン行ってくるわ」
ガ「俺もそろそろ、生地焼けたかもー」
飄々と言い放って二人がキッチンに逃げると、マックは大きめの溜め息をついて私の横に座った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
