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〇ぴーまんの告白
僕はだいぶ遅くまで、自分が他の人間とは違う事に気付いていなかった。
僕の周りには大人しかいなかったし。
母さんと、身の回りの世話をしてくれる人たち。しかもその人たちは時期が来るといつの間にか入れ替わる。
たまに姿を見せるきれいな男の人が父親だというのは知っていた。
母さんもみんなもそう言っていたし、その人が来ると家は途端に様相を変えるから。
母さんと僕の家は、父親の城になり
母さんは父親しか見えなくなる。
僕に優しくしてくれた大人の何人かはいなくなり、そうして僕の家をめちゃくちゃにした後で父親がいなくなると母さんは必ず壊れた。
死んだように動かなくなったり、泣き叫んだり物や周りの人や僕に当たり散らして暴れたりする母さんをなだめて、入れ替わった大人にいちから取り入って、またこの家を母さんと僕の家にするために平気な振りをして笑って。
父親は僕を一切見なかった。父親が来ると母さんも、誰も僕を見なかった。
だから僕がその人が好きだったことは、一度もない。
その人が来る頻度はいつも違ったし、僕は子供だったので何も思っていなかったけど、顔を見せなくなって1年くらいたった時に、母さんは僕を連れて家を出た。
そこからはずっと、楽しい記憶。
母さんの実家は資産家で私設の児童養護施設を経営していて、母さんはその中から僕と同じ年頃の男子を数人養子にして僕と一緒に育てた。
そこで初めて、僕はみんなと同じじゃないって気づくんだけど。
みんながどんどん成長するのに僕の成長は不安定だったから、みんなの行く学校に僕は行けなかった。
兄弟たちを見ると、ムラムラして咬みつきたくなる。
それでも僕は楽しかった。
母さんはその頃はほとんど眠っているか、ぼんやりしていつも夢見ているみたいだったけど、兄弟たちが僕の寂しさを埋めてくれて、新しく来る小さな子もいて、僕だけが異質ではなかった。
そんな生活を何年か送って、初めに引き取られたヒカルたちが学校を卒業した頃、母さんは眠る時間が段々長くなって、ある日とうとう起きなかった。
それは水をもらえなくなった植物が枯れて朽ちるみたいだった。
あとになってわかったことだけど、母さんは長い間吸血鬼の毒を取り込んでいたので、穢れた血に命を蝕まれていた。
毒は麻薬みたいに母さんの体を蝕んで、現れた禁断症状を薬で押さえて何とか繋いでいた命を、母さんは途中で手放した。
僕に、家族を残して。
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きりん虫(プロフ) - 優貴さん» 優貴さん！バタバタ終わらせてしまってすみません(汗)また番外編など書きに戻ります！コメント頂けて嬉しかったです、こちらこそありがとうございます。 (2020年6月19日 7時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
優貴(プロフ) - 遅くなってしまいましたが、お疲れ様でした。とても大好きなお話だったので終わってしまったという寂しさはありますが、きりん虫さんの作品をまたひとつ読み終えた喜びでファンとしてはたまらない気持ちです(*^^*)two of usも楽しみです、ありがとうございました。 (2020年6月18日 22時) (レス) id: 71e80fd819 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - 美緒さん» 美緒さんありがとうございます^ ^楽しんで頂けてよかったです！ (2020年6月18日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさんありがとうございます。コメント見逃してました！今ちょっと番外編に取り掛かっていていつになるかわかりませんが、気長にお待ちください。 (2020年6月18日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
美緒(プロフ) - すごくおもしろかったです！！ (2020年6月18日 9時) (レス) id: 487cbba7f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年5月24日 7時
