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パタン、と玄関のドアが閉まる音がして
ジャ「珍しいご指名やな。知恵熱やったら、俺よりガムの方がええで」
ジャッキーに心配そうにのぞき込まれて、そんなことまで顔に出てるのかと思ったら途端に恥ずかしくなる。
「ごめん。話がしたくて」
ポンポン、と控えめに肩をたたいた掌はやがて私を包み込む。包まれた安心感なのか彼の能力なのか、私はほうっと安堵の息をはいた。
「ダンピールに、会ったの」
ジャ「混血？へぇ、めずらしいなあ。俺もまだ会ったことないのに」
「すごく吸血鬼を憎んでて、私に、吸血鬼に取り殺される前に離れろって」
ははっと笑った拍子に見える八重歯。
ジャッキーは時々、少年みたいに見える。
「吸血鬼に転生する方法は、成功率が低いって言われた」
ジャ「ん、まあ、そうやな」
ジャ「けど俺らは今まで一回も失敗したことないで。条件は違うけど、全勝」
長く生きている年上組の3人は、それぞれ年下組を転生させている。
そして長く生きている間に、吸血鬼がどういうものなのか自分たちなりに仮説を立てている、とジャッキーは言った。
曰く、吸血鬼は自然の理には反した異物ではあるけれど、それなりの摂理に沿って存在しているのではないか。
不老不死の体や不思議な能力があって人間を支配できる力はあるけれど、繁殖するためには人間を転生させなければならない。
かといって吸血鬼が増えすぎたら、生態のバランスが崩れる。
だから転生は必ず成功するわけではない。
確かに何のリスクもなく吸血鬼を増やせるんだったら、今頃世界は吸血鬼だらけだ。
ぴーまんさんは、成功率は毒の量とか環境条件によると思っていたみたいだけど、ジャッキー達の考えは違っていた。
転生できるかどうかは、「想い」にかかっているのではないか。
転生する者、させる者が本当に望んでいるかどうか。
ジャ「俺らの能力は記憶操作以外は吸血鬼にはあんまり役に立たんのに人間に有益なもんばっかりやし、契約も明らかに吸血鬼に不条理」
ジャ「摂理は人間に有利なようにできてる。やから吸血鬼の繁殖行動も人間に有利なはずやと俺は思ってんねん。一方的な欲得だけでは成立しない。持論やけど」
ジャ「それに、いまはトッポがおるから」
「トッポ？」
ジャ「俺らの毒のことを調べて、ある程度転生のシステムの確証を得てる。あとあいつは未来が見えるから」
成功のビジョンが見える、ということか。
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きりん虫(プロフ) - 優貴さん» 優貴さん！バタバタ終わらせてしまってすみません(汗)また番外編など書きに戻ります！コメント頂けて嬉しかったです、こちらこそありがとうございます。 (2020年6月19日 7時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
優貴(プロフ) - 遅くなってしまいましたが、お疲れ様でした。とても大好きなお話だったので終わってしまったという寂しさはありますが、きりん虫さんの作品をまたひとつ読み終えた喜びでファンとしてはたまらない気持ちです(*^^*)two of usも楽しみです、ありがとうございました。 (2020年6月18日 22時) (レス) id: 71e80fd819 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - 美緒さん» 美緒さんありがとうございます^ ^楽しんで頂けてよかったです！ (2020年6月18日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさんありがとうございます。コメント見逃してました！今ちょっと番外編に取り掛かっていていつになるかわかりませんが、気長にお待ちください。 (2020年6月18日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
美緒(プロフ) - すごくおもしろかったです！！ (2020年6月18日 9時) (レス) id: 487cbba7f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年5月24日 7時
