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大倉先輩は料理が上手だった。
私の部屋に来る前に途中のスーパーに寄って買い物をしてきて、手料理をふるまってくれたこともある。
一人暮らしの私の部屋にはいつの間にか、知らない調味料や、一人では使わない大きいお皿や、使わないと思ってしまい込んでいたはずの引き出物のペアのマグカップなどが並んでいる。
部屋着にパーカーを引っかけただけの格好で、大倉先輩と並んでスーパーで買い出しをする。
大倉先輩がお菓子の列に行こうとするのを体を張って阻止したり、私が焼酎のパックをカゴに入れるのを呆れた顔で無視されたりする。
なんだろう、これじゃあまるで。
大「…フリーザ様みたいになってる」
私の部屋の狭いキッチンで手際よく大倉先輩が料理をするのを例のソファに座って見ていたら、出来上がった皿を運んできた彼がそんなことを言った。
私が座ると、私の体はソファに埋まる。
目の前のテレビが暗転した時に、そこに映ったソファに座る自分を見て、私も密かにそう思っていた。
ドラゴンボールのフリーザが乗ってるポッドに似てるな。
「私のソファですよ。ひどくないですかザーボン」
大「おい、悪口やぞ」
ほら代わって、と当然のように横に避けられて彼が定位置に座る。
大「はぁ〜、やっぱり落ち着くわぁ」
落ち着くなよザーボン、フリーザ様のポッドで。
「自分で買えばいいのに」
大「これがええの。Aにはちょっとでかいやん」
「先輩にはかなり小さいと思う」
そう言ったらなぜか彼はちょっと顔を引き締めた。
大「実は、そう思ってもうワンサイズでかい2人用のやつをうちに買うたんやけど」
「えッ」
大「今度はちょっとでかいねんなぁ。やっぱりコレの座り心地にはかなわん」
大「2人で座ったら、ちょうどええかも知らんけど」
そう言って彼はまっすぐに、私を見た。
大「せやからA」
大「今度、座りに来ませんか。俺の部屋に」
何で敬語ですか。
もしかしたら先輩は一世一代の告白をしたのかもしれないと思って、彼に避けられた硬いフローリングの上で思わず正座をしてしまったその日。
私達は同じ沿線に住んでいる上司と部下から、正式に彼氏と彼女になった。
終
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きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ほんとですか？ありがとうございます！ちょっとでも皆様の気分転換になっていれば幸いです。 (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - オフィスレディ、可愛く描けてますよ！移行先では青さんのとオフィスラブが…更新楽しみです！！ (2020年3月30日 6時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - こあさん» こあさんコメントありがとうございます！キュンキュンして頂けてよかったです！ (2020年3月23日 6時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - そんな村子さんが大好きです(違う) さりげなくサブキャラに落とされそうになるとは。恐るべし。もちろんキュンキュンも戴いて満腹です(^-^) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - 優貴さん» 優貴さんにキュンして頂けたら光栄です！疲れた時は糖分とって下さいね。ここは劇的な甘さでお送りします。 (2020年3月14日 17時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2019年6月30日 6時
