緑色 ページ11
緑色
土曜の夜は有楽町でラジオ。
よっぽど何かない限り変わらない俺の日常の一コマ。
俺の彼女はパン屋さんで、したがって朝は早起き。
なんと2時半には家を出て行く。
夜型の俺とは真逆の、超朝型。
すれ違わないようにするのに必死なのは、俺だけなんか。
今日もいない。
ラジオが終わって、急いで帰ってくれば起きてる彼女に会えるんやないかと思って2時半前には家に着いたのに。
何回走っても、どんだけ急いでも。
ベッドの中にも外にも、彼女はいない。
俺はため息を一つ、冷たいベッドに落としてその上に座った。
ていうか気配すら残ってないとかおかしくない？
普段2時半ごろ家を出て行くのは確認してるし、低血圧で寝起きが弱いから結構ギリギリにバタバタ出てくのに。
しかも土曜だけいつもちょっとめかしてるように見えんのは気のせいか？
ラジオの日は俺がおらんから、どっか別の男のとこで…。
いやいや違う、絶対違う。
明日、帰ってきたらちゃんと聞こう。
モヤモヤしたまま、俺は冷たいベッドの上で目を閉じた。
次の日は休み。
帰ってきた彼女を捕まえて、いざ尋問。
大「なあ、ちょっと話あんねんけど」
「うん、なあに？」
眠いんか目をトロンとさせて返事をする彼女。
なあに、やて。かわい。でもやっぱり、ちょっと服気合入ってない？
大「昨日、何時に家出た？」
ああ、まぶたくっつきそう。
「…いつもとおなじだよ？」
ウソついた。
ウソつかれた。
なんや、思ったよりショックでかい。
大「…ほんまのこと言うて」
ちょっと低くなった俺の声のトーンに、びっくりしたように目を見開いた彼女は、慌てたように身を寄せてきた。
そっと、その手を払う。
大「どこに行ってんの？」
彼女は払われた手を悲しそうに見つめて、押し黙った。
大「俺には言われへんようなとこに行ってんの？」
「違うよ、ちょっと早く出ただけ。仕込みがあるから」
ふうん。パン屋さんの事は良く分からんけど。
「ねぇ忠義、もう触ってもいい？」
納得はしてない。
でもそう言って手を伸ばしてきた彼女は抗えないほどかわいかったし、俺ももう触りたくてしょうがなかったので、引き寄せて腕の中に収めた。
メロンパンみたいな匂いがする、俺の疑惑の彼女。
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きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ほんとですか？ありがとうございます！ちょっとでも皆様の気分転換になっていれば幸いです。 (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - オフィスレディ、可愛く描けてますよ！移行先では青さんのとオフィスラブが…更新楽しみです！！ (2020年3月30日 6時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - こあさん» こあさんコメントありがとうございます！キュンキュンして頂けてよかったです！ (2020年3月23日 6時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - そんな村子さんが大好きです(違う) さりげなくサブキャラに落とされそうになるとは。恐るべし。もちろんキュンキュンも戴いて満腹です(^-^) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - 優貴さん» 優貴さんにキュンして頂けたら光栄です！疲れた時は糖分とって下さいね。ここは劇的な甘さでお送りします。 (2020年3月14日 17時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2019年6月30日 6時
