赤色 ページ1
赤色
「すばる、ごめん」
す「ええから寝とけ」
このやりとり、朝からすでに5回目。
具合悪いんなら素直に言う事聞いて甘えとけばええのに、俺の彼女は自分の具合よりも俺の機嫌の方を優先する。
そういう女。
今日は、俺らにしてはめずらしく、外で会う約束をしてた日で。
それというのも俺らが出会うきっかけになったバンドのライブのチケットが運よく2枚、手に入ったから。
Aはバンドの追っかけをしてた子で、バンドのメンバーとも仲良くて、俺は俺でバンドのファンで楽屋とかに寄らせてもらってたので、その繋がりで付き合う事になった。
しかも今日は付き合って2年の記念日。
指輪は遠慮されたけど、ええ時計があったからお互いに買おう、とか、ライブ終わったらちょっといいとこで飯食おう、とか。
柄にもなくテンションが上がって一緒にいろいろ計画してたもんで、その日に重量級の生理がきてしまった事がわかった時の彼女のガッカリ感といったらハンパなかった。
ゾンビなみに這いずってうめきながら、何や意味のある言葉を吐いたかと思えば、「すばる、ごめん」しか言わん。
す「ほら、ベッド入ろ」
お姫様抱っこ、はちょっと無理やから、支えながら寝室までいくと、彼女は床に座ったままベッドに寄りかかった。
す「ケツが冷える。ベッド入れ」
「ダメ、横になったら痛みが増す気がするし、ベッド汚れそうでコワイ。いいからすばる、行って」
今日のライブは関係者からチケット回してもらったから、挨拶だけでもしとかなあかんくて、俺だけちょっと顔を出す事にしたんやけど。
このゾンビをこのまま家に置いていくのは、ちょっとマズイ気がする。
まず確実にケツが冷える。
す「…しゃーないな。まだ時間あるから」
挨拶だけやったら、ちょっと遅れても大丈夫やろ。
背中に回って、立てた膝の間にカメのクッションを置いて、有無を言わさず彼女をクッションの上に座らせる。
彼女はぐったりしたまま俺に寄りかかった。
後ろから腹に手をまわしてそっと置くと、彼女の口からほぅ、とため息が漏れた。
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きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ほんとですか？ありがとうございます！ちょっとでも皆様の気分転換になっていれば幸いです。 (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - オフィスレディ、可愛く描けてますよ！移行先では青さんのとオフィスラブが…更新楽しみです！！ (2020年3月30日 6時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - こあさん» こあさんコメントありがとうございます！キュンキュンして頂けてよかったです！ (2020年3月23日 6時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - そんな村子さんが大好きです(違う) さりげなくサブキャラに落とされそうになるとは。恐るべし。もちろんキュンキュンも戴いて満腹です(^-^) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - 優貴さん» 優貴さんにキュンして頂けたら光栄です！疲れた時は糖分とって下さいね。ここは劇的な甘さでお送りします。 (2020年3月14日 17時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2019年6月30日 6時
