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「あの、違うの二宮さん！」
「何が」
言い訳なんて聞きなくて、また好きになった女の子が晴兄目当てだったなんて何でなんだと、そればかりが支配した頭の中に、彼女の声が聞こえてきた。
「ごめんなさい……私は……二宮さんを確かに利用しました。でもそれは和晴さんとの仲を執り成してほしいとかじゃなくて、従姉妹のためです」
「従姉妹？」
誰だって言うんだ。びっくりして彼女を見ていると、徐に鞄から写真を取り出して見せてきた。
「中町ハユナは私の母方の従姉妹なんです……」
「ハユの……」
まさかここでハユナの名前を聞くとは思わずびっくりしていると、彼女は悲しそうに笑った。
「ごめんなさい。だけど、許せなくて……」
「全然話が見えないんだけど？」
何が言いたいのかハッキリして欲しくて話すと彼女は下を向いた。
「無茶なお願いをしようとしているのは分かってるの、だけど……」
「取り敢えず話してよ」
ここまで来ると彼女がオレを利用した理由はただならぬ物なのかもしれないと思えて、そう聞く。
「……ハユナの子の父親になって……」
「は？」
真っ直ぐな瞳で言われても、全く理解できない言葉だった。
「意味がわかんない。ハユナに……え？子ども？」
大体、子どもは一人じゃできないだろう？なぜそれをオレに言う？
オレがハユナとそういう関係だったのはもう何年も前の話だ。今更なんだと言うんだ。
「あの子……妊娠したの」
「そう、まぁいい歳だし問題ないだろ」
ハユナは確か27歳。大人なのだし問題ないだろう。
「でも……父親が居ないの」
「それは……」
そこまで聞いてまさかと思ったがその理由しかないだろう、オレまで巻き込むなんて
27歳の未婚の女性が妊娠して、普通ならそこから結婚って話だろう？だけどできないって事は相手が……
「まさかアイツ、まだ晴兄と……？」
「あの子、ホントにバカなんだと思います」
「バカって……」
そこで初めて彼女が泣いているのが見えた。
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咲詩(さきうた)(プロフ) - りりさん» りりさん。有難うございます(T_T)こちらにまで……やっと終わりました（笑）そうですね、混沌とした世界に射す光がどうか温かいものでありますように。私たちにも彼らにも。素敵な言葉を有難う御座いました！ (2020年1月22日 22時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - やっと読めました！あ、つばきです（笑）たくさん、たくさんの素敵なお話をありがとうございます。これから、鮮やかな彩りに満ちた世界が待っていますように。彼ら5人にも私たちにも (2020年1月6日 23時) (レス) id: 2112e3c25f (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 橘花さん» 橘花ちゃん。いつも本当にありがとう。そうだね、書いてて痛かった笑……でもその傷があるからこそ縁を感じられて大事にできる人になれるんだと思う。完全なる私の願望だけどね笑今まで本当に有難う (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 郷さん» 郷さん。そうなんですね……私の場合たまたまこのタイミングになってしまったんですが作品についてのお知らせをメッセージさせて頂きますね。読んでくださって大好きと言ってくださって本当に有難うございます。コメントを読んでいて涙が出ました (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐちゃん。ありがとうこちらこそいつも読んでくれてコメントまでくれて感謝しかないし、大好きだよ。今まで本当にありがとう…… (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年10月24日 23時
