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その後、和也くんは今度はイタリアからドイツへ移動したらしく、ますます忙しそうだった。
私も時期的に、経費の締めなどもあって忙しく、お互いのメッセージは空き時間が合わないままに挨拶と報告で埋まっていく
そんなことは社会人になってから付き合ったなら仕方ないし、普段なら気にしないでいられたけれど、今は本当に早く日が過ぎてほしかった。
帰国もあと2日に迫った日、定時で帰れる日で、駅までの帰り道で声をかけられた。
「Aさーん！」
振り返ると例の彼女、中町さんで……思わず足が竦む。身構えてしまったけれど中町さんは人懐っこい声で話しかけてくる。
それはそうよね、知らないんだから……
「お疲れ様です。今帰りですか？」
そう聞いてから、明るい笑顔の中町さんの横には手を繋いだ男の子が居るのをみつけて、すぐに写真の男の子だとわかった。
私の視線に気づいたのか彼女が男の子に挨拶を促す。
「和葉、こんにちはは？」
「こんにちは」
男の子はニコッと笑って挨拶してきた。
「こんにちは初めまして。ママとお仕事をしているAと言います。……かずはくんって言うのね」
「はい。和やかな葉っぱと書きます」
そう言われて、和……と言う字に反応してしまう。和也くんから取った？なんて勘繰ってしまう。
「素敵な名前ね」
複雑ながらもそう答えると中町さんは嬉しそうだった。
「大切な名前なので、そう言っていただけて嬉しいです」
大切なと言った彼女の表情がとても切なそうで、ツキンと胸が痛んだ。
まだ和也くんと彼女の関係が決まったわけではない。
けれど、やはり気になった。複雑な胸中で何も答えられずに曖昧に微笑むと
「ママはやく帰ろ、お腹空いた」
和葉くんが中町さんの手を引いた。
「そうだねごめん帰ろうか。Aさん、失礼します」
「うん……お疲れ様！和葉くんさようなら」
微笑みかけると和葉くんがはにかんでさよならと小さく言ってから中町さんの後ろに隠れてしまった。
「すみません……Aさんが美人だから照れてるみたいです」
「あら。フフ、有難う」
「ほら、和葉歩くよ」
「んーー」
しがみついたまま引きずられるように歩いていく二人を手を振って見送る。
可愛い顔をした男の子が……やはり和也くんの面影がある顔……中町さんに抱きついているのを見ると、馬鹿みたいだけど苦しかった。
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咲詩(さきうた)(プロフ) - りりさん» りりさん。有難うございます(T_T)こちらにまで……やっと終わりました（笑）そうですね、混沌とした世界に射す光がどうか温かいものでありますように。私たちにも彼らにも。素敵な言葉を有難う御座いました！ (2020年1月22日 22時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - やっと読めました！あ、つばきです（笑）たくさん、たくさんの素敵なお話をありがとうございます。これから、鮮やかな彩りに満ちた世界が待っていますように。彼ら5人にも私たちにも (2020年1月6日 23時) (レス) id: 2112e3c25f (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 橘花さん» 橘花ちゃん。いつも本当にありがとう。そうだね、書いてて痛かった笑……でもその傷があるからこそ縁を感じられて大事にできる人になれるんだと思う。完全なる私の願望だけどね笑今まで本当に有難う (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 郷さん» 郷さん。そうなんですね……私の場合たまたまこのタイミングになってしまったんですが作品についてのお知らせをメッセージさせて頂きますね。読んでくださって大好きと言ってくださって本当に有難うございます。コメントを読んでいて涙が出ました (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐちゃん。ありがとうこちらこそいつも読んでくれてコメントまでくれて感謝しかないし、大好きだよ。今まで本当にありがとう…… (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年10月24日 23時
