《7》戸惑い ←10/23up済再掲載 ページ1
固まっていた私の前でふと、和也くんが一瞬目を見開いた。
私のさらに後ろに気付いたのか、松本さんを見て和也くんが叫ぶ
「ちょっとJ！」
そのままかなりの勢いでツカツカと歩いてきて、私の腰を強引に引き寄せて手をパシっと叩いて外された。
「だめ！アナタでもダメ！この子はオレのだから！」
「へぇ、でもオレも狙ってんだけど」
松本さんは私と和也くんを見て唇を歪ませた。
「松本さんやめてください」
「ん？Jと知り合いなのAちゃん……」
「はい、会社の先輩です」
「そうか、Jの人材派遣会社なんだね？あっちゃー」
なんて言っている間に和也くんがギュッと私の腰を引き寄せて、背中に手を回して抱き寄せてきた。
「か、和也くん、は、離して」
「やだ。はぁAちゃんだ……突然早く会えて嬉しい」
スリスリとジャケットに顔を擦り付けられて困っていると松本さんがオエと呟いた。
「なんだよカズ、その甘え方！オマエそんなキャラだったか？」
「Aちゃんには特別、ってかもうオレ仕事終わったからさ、AちゃんもJ置いてウチに行こ？」
「終わったって……」
あれって、別れ話じゃないの？その後で私と会うの？
そもそも仕事だって言ってたのに？女の人といたって……どういう事なのと、疑問符ばかりが頭に浮かぶ。
「今のカズの彼女じゃねーの？放っといていいのかよ」
私の疑問を松本さんが言葉にする。そのとおりだと頷く勢いで思ってしまう。
「は？オレの彼女はここにいる超絶可愛いAちゃんだし、アレは……仕事だってば。Aちゃんも、もう帰るんでしょ？」
アレはの後に間が空いていたことが若干気になるけれど帰りたかったので頷く。
「はい、もう帰り「帰すなんて言ってないけど？」
そんな私の言葉を遮って松本さんが睨むように見てきた。
「だーかーらーJ、Aちゃんはマジでオレのだからダメ！」
手で視線を斬るように縦に振った和也くん、よく見るとさっきまでと違って、口許が笑ってても目が笑ってない。
それを松本さんが微笑んで応戦する。
「どーせまた、いっぱいいる内の一人だろ？回せよこっちに」
「……何言ってのJ、ヤメてよマジで」
二人の言い合いを聞いていても困るだけだ。私は和也くんから少し離れて、松本さんに頭を下げた。
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咲詩(さきうた)(プロフ) - りりさん» りりさん。有難うございます(T_T)こちらにまで……やっと終わりました（笑）そうですね、混沌とした世界に射す光がどうか温かいものでありますように。私たちにも彼らにも。素敵な言葉を有難う御座いました！ (2020年1月22日 22時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - やっと読めました！あ、つばきです（笑）たくさん、たくさんの素敵なお話をありがとうございます。これから、鮮やかな彩りに満ちた世界が待っていますように。彼ら5人にも私たちにも (2020年1月6日 23時) (レス) id: 2112e3c25f (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 橘花さん» 橘花ちゃん。いつも本当にありがとう。そうだね、書いてて痛かった笑……でもその傷があるからこそ縁を感じられて大事にできる人になれるんだと思う。完全なる私の願望だけどね笑今まで本当に有難う (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 郷さん» 郷さん。そうなんですね……私の場合たまたまこのタイミングになってしまったんですが作品についてのお知らせをメッセージさせて頂きますね。読んでくださって大好きと言ってくださって本当に有難うございます。コメントを読んでいて涙が出ました (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» めぐちゃん。ありがとうこちらこそいつも読んでくれてコメントまでくれて感謝しかないし、大好きだよ。今まで本当にありがとう…… (2020年1月5日 7時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年10月24日 23時
