7. ページ22
「素敵な所」
「だね。樹の香りに癒やされる」
時間までゆっくりしようと部屋で隣り合って座椅子に座って話をした。時折指を絡めてみたり、唇が触れ合ったり……擽ったい触れ合いはまるで少年少女みたいだったけど心が休まる。
暫くして、何だか喉が渇いてしまい冷たいものを買ってこようと和也くんがお手洗いに立っている間に小銭入れを持って部屋を出た。
自動販売機が部屋のすぐそばにあったはずだし、すぐに戻れるから声は掛けなくても大丈夫だろう。
部屋を出て角を一つ曲がると自動販売機のコーナーが目の前に見えた。先客が二人。どうやら恋人同士の雰囲気で女性が男性の腕にぶら下がるようにして腕を絡めていた。
近づいていくと男性が販売機から飲み物を取り出して振り向く。
「っ……」
その顔を見て驚愕してしまった。あちらも私を見て固まっていた。
よく見れば隣に居る女性は私よりもだいぶ若い人でびっくりする。
「誰？先生……」
先生ってまさか生徒？化粧もかなり濃いしそうは見えないけれど確かにかなり若そうな肌の張りに見えた。
「仕事関係の人だよ、こんにちは伏上さん」
「こんにちは……ご旅行ですか？奥様と？」
白々しく聞いてやる。一昨日貴方はなんと言ったの？
「奥さんだってー！ヤダー私まだ18だよー？」
その女の子は男の人をバシバシと叩きながら言った。
「や、やめなさいリナたんっ」
(リナ、たん……)
伸びた鼻の下とそのセリフに背筋が凍った。
(き……気持ち悪い)
その気持ち悪さに数歩、よろけるように下がった所でぎゅっと後ろから抱きしめられた。しかも
「お若い彼女で良いですね？」
そんなセリフ付き。
「いやぁ……」
困惑した男の前で和也くんは横並びになり、私の腰に手を回してから頬に顔を寄せてきた。
「でもオレの彼女の方が数倍綺麗ですけどね」
なんて言いながら唇をほんとに合わせてきちゃうし！びっくりして押し返そうとすると耳を舐められ、掠れた声でわざとらしくあちらにも聞こえるように囁いてきた。
「照れなくていいよA。ね、早く部屋戻ろ？挨拶終わったんでしょ？オレ我慢できないけど」
「う、ん……」
きっと察してくれたんだ。
呆然としている彼らに見せつけるように和也くんがかなり妖艶な微笑みを浮かべて見つめた。
「じゃ、失礼しますね」
「はぁ……」
呆ける相手を放置して、最後には私の身体を強引に回転させて部屋へ引っ張るように連れてきた。
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咲詩(さきうた)(プロフ) - はるちさん» はるちさん。コメント有難うございます！甘いだけのお話がやはり書けない咲詩、現れました←……ここから2曲がり？！ほどある予定です……楽しみと言っていただけて嬉しいです！！(T_T) (2019年10月23日 8時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
はるち(プロフ) - 甘々だった展開が動いてきましたね…。どうなっていくのか楽しみです。 (2019年10月19日 5時) (レス) id: 041d0ce1ae (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 橘花さん» 橘花ちゃんコメントレス遅くなってごめんね！(´∀｀*)ｳﾌﾌ、ねぇ彼が引っ掻き回してくれるかなー、どうなるか今分岐点なんだよー。いつもありがとう！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
橘花(プロフ) - 夏休みって時間があるようなないような。。バタバタしてたよ〜…やっと終わったね！そして潤くんが波を立てそうな予感ですね…。どこまでも咲ちゃんのお話読みたいです♪明日も彼らを見れる、穏やかな毎日に感謝だね…！彼らの、咲ちゃんの明日も明るくなりますように！ (2019年9月4日 17時) (レス) id: c96c7aeb8a (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - はるちさん» はるちさん。ありがとう御座います！ふふ、甘いですよぇ暑くて怠くてグダグダ仕事してる私の頭の中で……こんなことを二人はしております笑読み返して頂けているなんて、幸せです、ありがとう御座います！ (2019年8月21日 8時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年7月7日 21時
