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「ではお借りしますね」
受け取って頭を下げると二宮さんは手を身体の前でブンブンと横に振っていた。
「いや貸さないよ、むしろあげるから！オレ着ないし何よりAちゃんに似合いそうだし」
「着ない……ですよね……では有難くいただきます」
「うん、楽しみ」
脱衣所で着替えると、サイズはピッタリ。何ともまぁミラクルと鏡の前でぼーっと眺めて思ったけれど、仕事に行く二宮さんの時間もあるしと急いだ。
部屋に戻ると、既にベッドもローテーブルも収納され、ガランとした部屋に白いシャツにベージュのコットンパンツ、そして淡いブルーのジャケットを羽織った二宮さんが立っていた。
部屋に降り注ぐ踊る光に横顔が煌いて見えるから、思わずそれに見惚れてしまう。
ただ立ってるだけなのに、なんて絵になる人だろう……鞄を持ったまま立ち尽くしていると、くるりと彼が振り返った。
「お、いいね。昨日のは綺麗な感じだったけど今日のは可愛らしい。赤も似合うね」
そんな風に目尻を下げて言われたら顔が赤くなってしまう。
「ありがとうございます……では帰りますね、洗っていただいた着替えは今度また取り来ても良いですか？」
「当たり前でしょ彼女だもんオレの……毎日来ていいし」
か、の、じょ……になったの？と、びっくりして二宮さんを見ると彼は目を見開いていた。
「ちょっと、まさか『そんなつもりない』とか小悪魔な事言わないでよAちゃん？」
「あの、でもいいんですか？彼女だなんて、そんな事言っちゃって……」
好きとは言ってくれたけど、それ以上を望んでいいの？
「んーと、そだね、ストレート以上にしないと伝わんないね。よし、Aさん、オレと付き合ってください」
わざとらしく片膝をついて頭を下げて手を差し出した二宮さんの手を取る。
もうここまで来たらノリで行かないとね。
「よろしくてよ」
「わーい、女王様とかも似合いそうだねAちゃん」
そのまま立ち上がって私の手に唇を充てた二宮さんこそ、王子様ですけど！
「や、やめてください」
「可愛いなぁもう」
そんなセリフで軽く唇が触れ合うキスを落とされて、うっとりしそうになると、二宮さんが私の手を引いた。
「じゃ行くよ？」
「はい」
何だか幸せ過ぎてこのまま時間が止まればいいのになってベタな事を考えてしまう……
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咲詩(さきうた)(プロフ) - はるちさん» はるちさん。コメント有難うございます！甘いだけのお話がやはり書けない咲詩、現れました←……ここから2曲がり？！ほどある予定です……楽しみと言っていただけて嬉しいです！！(T_T) (2019年10月23日 8時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
はるち(プロフ) - 甘々だった展開が動いてきましたね…。どうなっていくのか楽しみです。 (2019年10月19日 5時) (レス) id: 041d0ce1ae (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 橘花さん» 橘花ちゃんコメントレス遅くなってごめんね！(´∀｀*)ｳﾌﾌ、ねぇ彼が引っ掻き回してくれるかなー、どうなるか今分岐点なんだよー。いつもありがとう！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
橘花(プロフ) - 夏休みって時間があるようなないような。。バタバタしてたよ〜…やっと終わったね！そして潤くんが波を立てそうな予感ですね…。どこまでも咲ちゃんのお話読みたいです♪明日も彼らを見れる、穏やかな毎日に感謝だね…！彼らの、咲ちゃんの明日も明るくなりますように！ (2019年9月4日 17時) (レス) id: c96c7aeb8a (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - はるちさん» はるちさん。ありがとう御座います！ふふ、甘いですよぇ暑くて怠くてグダグダ仕事してる私の頭の中で……こんなことを二人はしております笑読み返して頂けているなんて、幸せです、ありがとう御座います！ (2019年8月21日 8時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年7月7日 21時
