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「こちらの常連なんですか？」
「うん、社長の弟の店だしね。今日は残業やだっつったのに引き留められたから後であの人に請求書回しておいてやる」
なんて言っていたから社長さんと親しいのだなと思った。
食事中は仕事の面白い話をしてくれて、特に社長さんは優秀だけど天然キャラらしくて、その話に笑わされっぱなしだった。
「あの人はね、天才なの。人をどんどん笑顔にしちゃうから仕事はひっきりなしでねぇ……あれで何の計算もしてないから面白いよねオレには無理だわ」
(でも二宮さんも、今日の私を笑顔にしてくれましたよ？)
似た者同士だったりして、なんて思ったし、社長さんの話している二宮さんの顔が始終緩みっぱなしで本当に素敵な職場なんだろうなぁと思えた。
程なくして食事が終わると、二宮さんがそれで……と切り出した。
「今日は来てくれて有難う、嬉しかったよ」
真っ直ぐにこちらを見て言う二宮さんにドキッとしてしまう。
「こちらこそ、お誘い頂けて嬉しかったです」
スッとテーブルの上の指が手に重なり、握られた。
ドキドキして心臓が止まるかと思ったその時に、急に手のひらに重みを感じた。
ん？
そのまま離された掌に乗っていたのは……
「これ？」
「可愛いでしょ？」
花柄のドレスを着た女の子の小さな木で出来たフィギア？だった。
「うちの商品の一つなんだけど、Aちゃん、これに似てるなぁって思ったんだよね、美術館で」
「へ？」
まさかのこの人形に似てるって……顔はほぼないけど？
「でね、これ実はただの人形じゃないんだ……願いを叶えてくれる女神なんだ」
「女神？」
そんなこと言われても戸惑いしかないのに
「だからAちゃんもきっとオレの願いを叶えてくれるって思った」
二宮さんは至って真剣な顔で言う。
「ええ？女神ですか？」
そんな馬鹿なと聞き直すと二宮さんが軽やかに動いて隣に座ってきて……耳許で囁いた
「好きになって欲しい」
吐息と共に届いた声は信じられない言葉で……吃驚して固まってしまう。
「あ……え？」
固まっている私の顔のすぐそばで二宮さんが微笑む。
「どう、簡単でしょ？オレの願い叶えるの……」
榛色の瞳がゆらゆらと揺れて見えて自然に頷きそうになるけれど
「どうして？」
その答えを知りたいような知りたくないような
さっきのネガティブな気持ちとは違う戸惑いが出てくる。二宮さんは尚も話を続けた。
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咲詩(さきうた)(プロフ) - はるちさん» はるちさん。コメントありがとうございます！まぁ、以前から読んでくださっていたなんて嬉しいです！解説員も愛してくださってありがとうございます。私にとっても思い入れがありますので嬉しいです。 (2019年6月21日 15時) (
レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - なおちさん» なおちさん。お久しぶりです、いつもありがとうございます。(´∀｀*)ｳﾌﾌ偶然も奇跡ですよねぇ。移転先については青い鳥さんで今回お伝えした通りですのでどうぞまた宜しくお願いします。コメント嬉しかったです！ (2019年6月21日 15時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
はるち(プロフ) - はじめまして。コメント書かせて頂くのは初めてですが、お話は以前から読ませて頂いてました。久しぶりの咲詩さんのお話で色んな二宮さんを思い出して何度も読み返しちゃいます。プラネタリウムの二宮さんとか夜空を見上げると思いだしたりして…。懐かしいです。 (2019年6月20日 17時) (レス) id: 041d0ce1ae (このIDを非表示/違反報告)
なおち(プロフ) - 久々の咲詩さんのお話！めっちゃ嬉しいです。私もここでまさかの出会い、再開に感謝です。主人公ちゃんの出会いも偶然だからこそ、奇跡。移転先、念の為もう一度教えて欲しいです！またたくさんお話に出会いたいです。 (2019年6月19日 22時) (レス) id: 4cd26d7ff0 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 栞さん» 栞さん。コメントありがとうございます！ものすごく久々にこちらに書いてみましたよー……他の場所の件はすでにお話済かな？まだのようでしたらメッセージ致しますのでお声掛けください┏○))ほっこりしていただけて良かったです！ (2019年6月19日 22時) (レス) id: 2be9ef90a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2019年6月17日 0時
