Hey you！【O.S】 (ページ35)

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35.ベッドな記念日ページ35

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「うぁ～っもどかしい」
「何が？」
「もっと前からこう出来たんだなって」
「…ベッドいく？」
「は！？」
「んふふ。声でけー」

んふふじゃなくて。
なんで今の流れでベッド行こうってなるんだ。

そういう空気じゃないし！
いい感じの雰囲気だけどそういうえっちな雰囲気じゃないのに！
この男は…

「バカ！」
「何でだよ！両想いになった記念日！」
「記念日とか祝うタイプじゃないくせに！」
「んじゃ今日のこの日は来年もずっと祝うから」

んじゃって最低だな！とか思った。
この日はって他の記念日は祝わないんだなってちょっとムカついた。

なのにそれ以上に来年もずっとって言ってくれたことが嬉しくてたまらない。

でもちょっとストレートに良いよって言うのが恥ずかしい。
智の首元に顔をうずくめる。

「お風呂だけは入らせてよ…」
「…んふふ。先に入ってきて」

色っぽい声にくらりと目眩がしそう。
間取りも私の部屋と一緒だからどこにお風呂があるかも分かってる。
ふらりと立ち上がった時あっ！って気付いた。

「部屋から着替えもってくる」
「いらねぇじゃん」
「またスーツ着て帰るの嫌だよ。ジャージ着て帰りたいの」
「サザエスタイルはいらねぇの！帰るの必要ないじゃん」
「明日会社あるじゃん！」
「バカだねぇ。明日は休み！」
「え」

ポケットにあったスマホを見ると金曜日。
明日は土曜日だからお休みだ。
日にち感覚なさすぎて困る。

「いやでもでも、下着ないのはやだ！」
「なんでだよ…あ、脱がないでしたいの？」
「そういうんじゃなくて！」
「もううるさいな。Tシャツくらいなら貸してやるから入ってこいや！」
「えぇええ」

グイグイ背中押されてお風呂に入ることに。
後から律儀に智がポイッて白のTシャツを投げてきた。

ここから長い長い夜が始まるなんて私はまだ知らない。