Hey you！【O.S】 (ページ25)

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25.お仕事モードページ25

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翌朝の顔はもはや傑作だった。
誰かに殴られたんじゃないかってくらいにパンパンに腫れた目。
目の下のクマ。

どう頑張っても化粧では消えなかった。
それでも多少は良くなるようには頑張ったつもり。

こんな顔絶対智たちに見られたくなくていつもより早く家を出た。
出来れば会社も行きたくないくらいだ。
でも企画練れてないし行かざる得ない。

そういえば桜庭さんとかに意見聞くの忘れてた。
それどころじゃなかったもんな…
後で菓子折り持って昨日の謝罪してから聞いてみようかな。

でもそれじゃあ今日も進まない…
うーん。あ、りっちゃんに聞いてみようかな。
丁度通勤時間だろうし。

りっちゃんは同じ会社の経理部。
良き飲み友達で相談相手でもある。

ホントは今すぐに智の愚痴をぶちまけたい。
けど朝から聞かせるには疲れる話だろうからやめとこう。
とりあえず企画に関する意見を…

通勤の道中、通話ボタンを押して電話を掛ける。

プルルル…プルル…

「おはよ～どうした？」

2コール目でりっちゃんの声。
応答が早い、流石だりっちゃん。

「おはよ。今大丈夫？」
「大丈夫よ。どうした」
「朝から仕事の話で悪いんだけどりっちゃんならどんなお菓子食べたいかなぁって。今企画で行き詰まってて」
「おぉ、そういう事ねぇ。…酒に合うお菓子」

ちょっとの沈黙の末に酒に合うお菓子。
流石りっちゃん。
酒飲みの血が滲んでる。
けどこれも貴重な意見。参考にしとこう。

「分かった。ありがと！」
「いえいえ。お礼はまた近々飲みに行くことよお嬢ちゃん」
「喜んでぃ！」

あははってりっちゃんの笑い声の後に「んじゃね」って声と共に通話が切れた。

確かに自分も食べてみたいかも。
お酒に合うお菓子ってやつ。

案外いい意見かも…

ふむふむと考え込んでるうちに会社に到着。
ちょっといい仕事出来そうな気分。
昨日の話は一旦頭の隅に寄せて今は仕事モード。
深呼吸して部署に入る。
大丈夫、今の私なら仕事に没頭できる。

「おはよ」

先に来ていた同僚に笑顔で挨拶。
いつもなら皆笑顔で返してくる。
なのに今日はフリーズ。

え？なに？なになになに！？

「ど、どうしたの？」
「いやそれこっちのセリフだわ」

小栗くんが固まる皆の中で唯一声を発した。

「なに？バイオレンス受けちゃったの？」
「は！？」
「目晴れすぎだろ…ぶはっ」

あからさまに笑われてる私。
すっかり忘れてた今の顔。

そりゃ固まるわ。