24.感情交差点 ページ24
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感情がぐちゃぐちゃだ。
あの場から逃げ出した後急いで自分の部屋に戻った。
ちゃんと整理したくて。
でもそんな余裕は無くて。
靴を履いたまま玄関でうずくまることしか出来なかった。
「最悪だぁ…」
ため息混じりの独り言だけがやけに寂しく響いた。
ほんの少し前まで楽しかった。
そんな場を壊したのは私。
今どんな感じになってるんだろう。
嫌な空気になってるのかな。
だとしたら本当に申し訳ない。
桜庭さんも佐々倉さんも風間くんも…
皆に申し訳ない。
これは私と智の問題なのに。
そう、2人の問題。
「馬鹿みたい」
呟いて廊下にバタンっと倒れ込んだ。
その反動で滲んでいた涙がゆっくりと零れた。
最初から知ってたじゃん。
ハナから女として見てないくせに好きだとか言って。
そんな智が本気で恋愛対象として見てくれてるなんて思ってなかったじゃん。
でもキスされて智が頭から離れなくなって。
心のどこかで本気なんじゃないかって思って。
“昨日のキスも全部俺の気持ち通りだかんね”
そんな矢先にあんな事言われたら本気なんだって思う気持ちがどんどん膨らんだ。
意識する私。
それに対する智はちょっと時間が経てばケロッとしてて。
知ってるはずもない私の好きな人に何の興味も見せなくて。
ひょっとしなくてもコイツは冗談で好きと言っていたんだって。
察した中でトドメを指したのは、
“Aがお見合いとか即破談だよ”
呑気そうな笑顔で言った言葉。
無駄に大きくなった淡い期待が音を立てて消えた。
「…ムカつく」
なんだか考えれば考えるほど。
思い出せば思い出すほど。
悲しい。
悔しい。
寂しい。
腹が立つ。
自分が情けない。
感情が入り乱れれば入り乱れるほど涙がまた溢れ出す。
この感情に名前を付けるとしたら、
人は失恋と付けるんだろうか。
…なんて哲学な。
失恋なんてそんな簡単な言葉で片付けられるほど恋は楽じゃない。
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作者名：きりりん
| 作成日時：2017年12月8日 9時
