Hey you！【O.S】 (ページ23)

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23.息が出来ないほどページ23

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多分ぎこちなく笑ってると思う。
それでも泣くよりはマシだと笑った。

そんな私を見て真向かいに座っていた風間くんがテーブルに身を乗り出して私の肩をガッと掴んだ。
な、なんだろうこの体勢？

「Aちゃん辛い恋をしてるんだね」

ぷるぷる腕を震わせて涙目の風間くんがそう言った。
なんで風間くんが泣きそうになってるの。
…変な人だ。

けどそれが想像以上に今の私の心にきてまた泣きそうになる。
風間くんの優しさに泣きそうになる。

「ワシの孫にそんな気持ちにさせるのはどこの男だ！」

佐々倉さんが悔しそうに言った。
その男は佐々倉さんのすぐ目の前に居るんですよ。
可笑しな状況に普段なら笑うけど笑えない。

むしろ悔しがってくれる佐々倉さんにも泣きそう。

「そうね佐々倉さん。どこの男か知らないけどそんな男やめて新しい恋でもどうかな？」

泣きそうになる私に桜庭さんがなだめるように言った。
新しい恋…か。

未だに一言も喋らない智。
「誰？」とか「は？」とかその一言でも喋ってくれれば良いのにって思ってるのに。

私の恋沙汰に興味無しですもんね。
散々人を悩ませといて。

…新しい恋。

「それも良いかも…ね」
「ね？ちょうど良いお見合い話が来ててね」
「えっ見合い！？」

あまりのテンポの速さにビックリ。
そういう事か！
お見合い話を進めるために色恋沙汰の話をしたのね！

うわわ…
だとしたら思いのほか重い空気作っちゃったじゃん。
てかちょうど良いタイミングのお見合い話。

神様は私の長期片思いに嫌気がさしたのか。
でもお見合いは…
お見合いはなぁ…

うーんと静けさの中考える。

「やめとけよ。おめぇがお見合いなんて無理だ」

先に沈黙を破ったのは智だった。
何も考えてなさそうな顔だったのが急にふにゃって笑いながら言った。

…なんなの？
もうちょっと真剣に止めに来るとかないの？
やっぱりからかいたいだけ？
バカにしたいだけ？

呑気にアハハって笑い出す智に怒りがふつふつと湧き出てくる。

「Aがお見合いとか即破談だよ」

その声でぷつりと何かが切れた。

「…何なの」
「は？」
「智は茶化したいだけじゃん。いい加減にしてよ」

あーあ。
せっかくの楽しい雰囲気だったのに。
壊してしまった私はバカだ。

ポロポロと溢れるのは涙と智への怒り。

他の皆は心配そうな目と声をしていたのは覚えてる。
でも智の顔だけは見れなかった。
ただ苦しくて苦しくてその場から逃げ出した。