3.茶柱、一本。 ページ3
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皆で集まる時は大体桜庭さんの部屋。
荷物を一度自分の部屋に置いてから桜庭さん宅のインターホンを押す。
出掛けたのは11時。
帰ってきたのは16時ちょっと過ぎ頃。
普段ならもっと遅めに帰ってくるところだけど今日は訳が違う。
なんせイケメンが…って勝手にハードル上げるのも良くないか。
そこそこなイケメンとご対面だから早めに帰宅。
「待ってたよ、お帰りなさい」
ドアが開いてお出迎えしてくれたのは風間くん。
玄関に並んでる靴を見ると今のところ三人は居るみたい。
「ただいま！」
「Aちゃんお帰り！」
「お帰りなさい、風邪引くからはやくこっちに来なさい」
皆さま総出でお出迎え。
ハートフルな光景に癒されながら佐々倉さんがこっち、と手招きする方へテクテク。
桜庭さん家は10月の暮れになるともうコタツを出すらしい。
その言葉通りとっくの昔に出ていて
桜庭さんも佐々倉さんも風間くんもコタツイン。
私もそのお仲間入り。
冷えた身体がじわぁっと暖かくなる。
「はぁ…染みますなぁ」
「Aちゃんお茶飲む？」
「お願いしますぅ…」
「あーまた桜庭さんがAちゃんの事甘やかしてる！佐々倉さんどう思います？」
「ハッハッハ…可愛いから仕方がないんだ」
「もう佐々倉さん…可愛いだなんてそんなぁ」
「ダメだ、甘やかされまくってる」
桜庭さんが私たちの会話を聞いて笑いながらお茶を注いだ。
佐々倉さんは目尻を下げて笑ってる。
風間くんは頭を抱えつつちょっと笑ってる。
はぁ...なんて癒されるんだろう。
心までポカポカしてくる。
「はい、どうぞ」
桜庭さんが私の目の前に湯のみを置いてくれた。
入れたてでほわほわ湯気が立ってる。
「ありがとう…」
飲もうと湯のみを掴んでつい仕草が止まる。
「Aちゃんどうし……あら、茶柱！」
私と桜庭さんの目線の先には一本の茶柱。
こういうのは条件なしにテンションが上がる素。
「すごいね、いい事あるかも知れない！」
「俺久々に茶柱見たよ…」
「ワシも久々に見た…」
「私もお久しぶりよ…」
「え、じゃあ今日は久々にめちゃくちゃいい事起きたりして？」
「何それミラクルハッピーだね」
「風間くんのそのミラクルハッピーって何？」
「俺の親友の相葉くんが言ってたんだよ」
「なにそれ」
アハハって一同大爆笑。
そのタイミングでピンポーンとインターホンが鳴った。
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作者名：きりりん
| 作成日時：2017年12月8日 9時
