Hey you！【O.S】 (ページ20)

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20.危ない本心ページ20

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確かに仕切り板とベランダの間には顔を出す程度の隙間があるけども。
良くもそこから隣に飛び移ろうと思ったな。

一種の関心の目で見ると軽いチョップが頭に降る。

「痛い！なに！」
「今朝婆ちゃんから渡されたべ。ビール券！」
「え…あぁ！」

ビール券。
昨日のお詫びにビールくれるってやつだ。
急いで部屋に戻って脱ぎ捨てたままのジャケットから券を取り出して智に渡す。

するとそれと引き換えにビールが手渡された。
いつもの一番搾り。

「いつの間にビール持ってきたの？」
「ずっと持ってた。てかこのために来たんだよ」
「あ、ありがとう…いやでも普通の渡し方で良いじゃん。私ビックリしたんだから！」
「ビックリさせようとか思ったら俺がビックリしたって」

うぐ…っ
そう言われると何も言えなくなる。
確かに下着姿(ベージュ)見た方がとんでもない仰天ニュースだわ。
鶴瓶もビックリするわ。

「ごめんさい」
「2階だからってカーテン開けっ放しでいーやって考えは甘いで」
「…智みたいな人が居るからですね」
「うん」
「そこは否定しなさいな」
「やだ。オンナとして見ちゃってる事が嘘になるじゃん」

ボフッと頭が爆発した音がした。
そのさりげない一言一言に責任感があるのかないのか。
さっきの智の顔と手を思い出したら熱が上がりそうだ。

「昨日のキスも全部俺の気持ち通りだかんね」

その気持ちとやらは本当の本当なのか。
早くも智的女扱いに頷きそうになる。
まだ早いだろ私！！！
いや…でも、もう。

「さ、智…」
「あ！やべ、画材しまってねぇ」
「えっ？」
「んじゃ時間になったら呼びに来て」

ポンポンと頭を雑に撫でて行きベランダからお隣に移動していく。
本当にそんな移動の仕方だったのか…

てか私今危なかった！！！
速攻で頷きそうになった。
私は全然しても良いんだけどむしろそうしたいんだけど。

自信が無いんだ。