31.カウントダウン ページ31
.
普通はこの状況にドキドキしてくれなきゃ困る。
俺だけ馬鹿みたいに心臓がうるさい。
「ニノさん強いんですね」
おいおい、そんな尊敬の眼差しで見るんじゃないよ。
そんなに余裕なの？この状況が。
「ねぇ、そんなことよりさ…可愛いって言われんのはドキドキするんでしょ」
「それはしますよ…勘弁して欲しいです…」
「なのにこの状況はドキドキしないんですか」
「俺が言うのもなんですけど」なんて付け足して言ってみるとハッとした表情を浮かべて勢いよく俺から退けようとした。
そう簡単に逃がすもんかとすかさず抱き締める。
何してんだろ俺…とふと思ってしまった。
けどあのビールのせいにしちゃえば後々罪が軽くなる気もして少しの間だけ欲のままにさせてもらおうと思った。
「ニノさん！離してください！」
「そんなに嫌？」
「嫌…っ、というわけでもないのですが」
丁重に「嫌です」って言えば離そうと思った。
なのにこの子ときたら…今の一言で余計離したくなくなったじゃん。
「嫌って言えば離したのに」
「嘘は言えません！…嫌じゃないですから」
「…あんまり男にそういう事言っちゃダメね」
「よく分からないですけど、ニノさんもこういう事女の人に簡単にやっちゃダメですよ…特に私みたいな女は免疫無いんですから」
まさにちょっと前までの節操が無かった俺に突き刺さる言葉。
相手も理解した上でのギブアンドテイクな関係とはいえど今更、積み上げてきた罪に酔いが覚めそうになった。
でも、今は違う。
「俺ね、前までクソみたいな男だったのよ」
「は…はい？」
「前に女の子と一緒に例の箱買ったけど付き合ってない状態でそういう関係だった…って話したよね？」
「あ…はい」
「そういう事も結構してきたクソ男、結構最低でしょ」
「……そうですね」
あら、前までそんな事ないって顔強ばらせながら言ったのに今日はえらく素直に言うのね。自分が悪いけど流石にちょっと傷つくよ。
「…まぁ、でも今は違うよ？今はそういうの全部止めた」
「止めれるものなんですか…？」
「あー…うん。案外ね、本気で好きな人出来ちゃったりするとね」
「そうなんですね…じゃあダメじゃないですか。こんな事したら」
だから、もう、ダメじゃないんだって。
「それがさ、こんな事してもいい相手が1人だけ居るのよ」
もはや、最短ルートを選ばざるえない気さえして、目の前の獲物を狩って早く得たい気持ちでいっぱいにだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 458人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりこ(プロフ) - ようちんさん» ようちん様〜！！お久しぶりです！クズ宮くんをなんとか更生させてほしいですね、、（主人公ちゃんに笑）背負い投げされる可能性大だとは思います。笑これからも頑張ります！！ (2019年10月5日 12時) (
レス) id: f37ad4f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
ようちん(プロフ) - 楽しませてもらってます！ありがとうございます。クズ？な二宮さんが主人公ちゃんに惚れてどう変わるか楽しみです(*^^*)背負い投げされなければいいけど！と思います笑。更新頑張ってください！ (2019年10月5日 5時) (レス) id: 1b12d1d40f (このIDを非表示/違反報告)
きりこ(プロフ) - 愛梨さん» 愛梨様コメントありがとうございます！そう言っていただけるとすごく励みになります（ ; ; ）拙い物語にはなりますが今後ともお付き合いの方お願い致します！！！ (2019年10月1日 20時) (レス) id: f37ad4f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - とーっても面白いです。更新大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 (2019年10月1日 20時) (レス) id: 0e5368ec08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりりん
| 作成日時：2019年10月1日 18時
