【中原中也】美容オタクなので金がない【文スト】

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「は〜成程。つまり私の本当の仕事は、そのオオスミさんとこの長男坊に気に入られて懇意になることだったと」

「そういうこった。その可愛い顔が役に立ったって訳だな」

「まあ実際、今日の私めちゃくちゃ可愛かったし仕方ないんですケド…😀」



　おどけて言ってみたものの9割本心だったし(あとの1割は尾崎さんに対するほんの気持ち)(失礼)、というよりそもそもそんな冗談も言うのが辛いくらい動揺している。何故って、知らないうちに有名なヤクザの次期会長の嫁候補になっていたので、そら動揺もするだろと反論されても仕方ない。
　ダラダラ汗を流しつつ、Aは自分に全く知らされていなかった事へ文句を言う。



「そもそも、教えてくれてたらもっと仲良くなれましたよ。一人でいる女にナンパしてくるような人たち、私から話しかけに行ったくらいなのに」

「それがな、駄目なんだとよ。男にグイグイ来ない控えめな淑女が好みらしいぜ」

「若いのにやるな…」



　車に乗り込み、来た道を戻る。酔いが覚めたとは言え、慣れない酒と程よく揺れる車と静かな車内にAは確実に眠気を誘われていた。



「寝てもよい。着いたら起こしてやろう…よくお眠り」

「ありがとうございま〜す…」



　いち、に、さん。肩口をとんとん叩く尾崎の手を感じながら、Aはすぐに眠りについた。
　車内が一気に静かになる。

▲▽▲▽▲▽▲

「てかヨシザキさんどうなったんですか？ 別に騒ぎとか起きてなかったですけど」

「さあ…今頃調理場の冷蔵庫にでもおるのではないかの」

「いやエグ〜」

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