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とは言っても、22歳になれば潔くマフィアをやめて顔しか知らない他国の男に嫁がなければならないのである。年頃の、しかもAほどの女が歩むような道では到底なかった。本人もそれを分かっており、だからこそ嫌なのである。日を重ねる毎に嫌だという思いが強くなる。朝を迎える度に死刑宣告の日に近付いているような、そんな重たい気持ちになる。
が、まあAも馬鹿ではないので。結婚してすぐどうやって逃げようかなとか、相手の男の腕っ節ってどのくらいなのかしらとか、そんなことを少しずつ調べながらここまで来た。とは言えどれも現実的な話ではなくて、結局大人しく嫁ぐ以外の選択肢がないように思えてしまうのである。だって首領に頭を下げさせてまで期間を伸ばしてもらって、その上相手を殺して逃げるなんて。相手が日本人ならまだしも、国外の相手となると大事になりかねないのが厄介なのだ。それでも、もし───もしわたしに好きな人ができた時のためにとっておいたヴァージンを、あんな太った気持ちの悪い男に捧げることになるなんて信じられない。
だからこうして、どうにか貿易商の男との結婚から逃げられないかと頭を悩ませながらここまで来ているのである。正直パパ活やらなんやらを始めたのもそのせいで、少しでもキショいオッサンに慣れておこうと考えた苦肉の策でもあった。まあAの場合はお小遣い稼ぎというのも大きかったが。
ただオッサンにお金をもらって良い顔をしているのと、オッサンに嫁いで一生そいつの世話をしなければいけないのでは訳が違う。そもそもAの父親に声をかけた時既に30代だったであろう貿易商のオッサンは一体今いくつやねんという話で、そんなことを色々考えているともう頭が痛くなって仕方がないAである。
つまり結婚が嫌。相手があのオッサンなのがもっと嫌。あたしの清くて美しいヴァージンを汚ねえジジイに渡してなるものかという具合である。
「Aさん、首領がお呼びでしたよ」
「…はあい」
とは言えAは強い女なので、そんなことでクヨクヨしていられない。常にそのオッサンのことを思い出して、早くくたばれドブ男めと思う始末であった。
▲▽▲▽▲▽▲
「Aです、失礼します」
部下に呼ばれて来てみたは良いものの、部屋は暗く森も不在のようであった。ただ無人という訳ではなく、森の代わりに中原がデスクの隣に立っている。
「…中原さん？」
「喜べよ、手前へのプレゼントだ」
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アボカドサラダ(プロフ) - 抹茶あいすさん» 嬉しいお言葉を沢山ありがとうございます！ そうですよね、私も甘い対応が多いと思うのですが夢主はそう思ってないみたいです笑 これからもよろしくお願いいたします！ (2022年7月25日 19時) (
レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶あいす(プロフ) - そんな素振りなかった、みたいなこといってますけどだいぶ甘かった気がするのは僕の気のせいでしょうか？こういった話はあまり読まないのですが､文章が読みやすくて､面白く読ましてもらってます！！更新頑張って下さい！！ (2022年7月25日 16時) (レス) @page45 id: f01e2a172c (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - 白ちゃんさん» お読みくださりありがとうございます！ (2022年7月21日 18時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 面白かったです。 (2022年7月21日 18時) (レス) @page41 id: 0a2f8cc4e7 (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - ゆなんさん» 憧れだなんてありがとうございます！ 夢主も喜んでいます。文章についてもお褒め頂き嬉しい限りです。マフィアは大変ですが実力さえあれば大量の金銀が手に入る世界ですからね^^ 頂いた言葉を胸に更新頑張ります！ (2022年1月21日 8時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アボカドサラダ | 作成日時：2021年9月18日 12時
