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「あ〜〜疲れた。もう何もしたくない」
結局昼に入った尾崎のお手伝い(拷問)に続いていくつか仕事が入ったので、終わったのは22時を過ぎた夜である。定時とは。残業手当って出るのかしら(出る)。地下の牢で働き詰めだった為、地上に出てくると空気が美味しい。血生臭くない。それだけで感動できるのだから、中々の簡単な女であると思う。
「お前、姐さんのとこのだな。もう終わりか」
「ア中原さん。お疲れ様です。はあ、今しがた…」
「そうか」
目の前の資料室から出てきた中原に軽く挨拶を返す。傍にあった自販機でガコンとコーヒーを落とすと、中原は「ホラ」とそれを投げて寄こした。
「ありがとうございます。もう寝るんですけど」
「……しまった、完全に今から出ていくやつと勘違いしてた。スマン」
「あは。明日飲みますね、コーヒーご馳走様です」
「おう。ちゃんと寝ろよ。明日から大変だからな」
「はい。おやすみなさ……えっ明日?」
明日何かあったかしらと記憶を辿るも、特筆するようなことも無い。いつも通りの仕事。いつも通りの書類。間抜けな顔を見た中原は、オイオイと呆れた顔をした。
「明日、お前とオレと姐さんと…あと何人かヨシザキのとこに呼ばれてンぞ。連絡行ってるだろ」
「よ。ヨシザキさんに」
「嗚呼」
聞いてない。いや聞いたのかもしれないけど完全に忘れてた。そう言えば尾崎さんがそんなこと言ってた気がする。机の上に部下が作ってくれた概要まとめた手紙があった気がする。ていうかそれ明日? 来週末の勘違いじゃない? という問いかけを先週から続けてた気がする───終わった。百ゼロで私が悪い。
「…忘れてました。腹とか切った方が良いですか?」
「後々な」
「しまった……どうしよう、明日の持ち物何ですか?」
「遠足じゃねえぞ」
ヨシザキさんと言うのは、簡単に言うと首領の古い友達である。マフィア程ではないにしろ、裏を取り纏めるそこそこ大きな組織のトップであり、最近まで首領とは仲良くやってた。が、そろそろ首領も「横浜のリーダーは2人もいらねえ」となってしまったらしく、自陣の強い子を何人か連れて潰しに行くと。それでその舞台に選ばれたのが、毎年お呼ばれしているヨシザキさん主催のパーティーだと。
因みにAは、数日前に武器をメンテナンスに出したばかりである。前日の夜に思い出すのは、ただのバカであった。
「……サ、首吊ってきますかっと」
「オウ。そうしろ」
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アボカドサラダ(プロフ) - 抹茶あいすさん» 嬉しいお言葉を沢山ありがとうございます! そうですよね、私も甘い対応が多いと思うのですが夢主はそう思ってないみたいです笑 これからもよろしくお願いいたします! (2022年7月25日 19時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶あいす(プロフ) - そんな素振りなかった、みたいなこといってますけどだいぶ甘かった気がするのは僕の気のせいでしょうか?こういった話はあまり読まないのですが、文章が読みやすくて、面白く読ましてもらってます!!更新頑張って下さい!! (2022年7月25日 16時) (レス) @page45 id: f01e2a172c (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - 白ちゃんさん» お読みくださりありがとうございます! (2022年7月21日 18時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 面白かったです。 (2022年7月21日 18時) (レス) @page41 id: 0a2f8cc4e7 (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - ゆなんさん» 憧れだなんてありがとうございます! 夢主も喜んでいます。文章についてもお褒め頂き嬉しい限りです。マフィアは大変ですが実力さえあれば大量の金銀が手に入る世界ですからね^^ 頂いた言葉を胸に更新頑張ります! (2022年1月21日 8時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アボカドサラダ | 作成日時:2021年9月18日 12時