2 ページ2
「××さん、物知りですご〜い♡ あたし頭悪いから、頭良い男の人のこと尊敬する〜」
「え。そ、そう？ 嬉しいな…女の子にそんなこと言ってもらったこと無かったから…」
「そうなのーっ！？ ××さん背も高くてスラッとしてて頭も良いんだから、女の人にいっぱいモテるんだと思ってた……」
ポートマフィアでもそこその顔の知れてるA。白昼堂々デパートのレストランにて、絶賛パパ活中である。
というのも、今月分の給料を早々に使い切ってしまった為、新作の化粧品も買えずネイルも出来ないので。座って異能を使えば食べていけるこの業界で、いそいそと好きでもないオッサンのご機嫌取りに勤しんでいるのであった。
「あ。そうだAちゃん…これ少ないけど、良かったら学費の足しにして」
「え？」
「Aちゃん、今月全然会えなかったのも、バイト頑張ってたんでしょ。学費自分で払ってるんだもんね。僕、こんな見た目だし稼ぎも良くないけど…Aちゃんのことを一番に応援したいからさ。受け取ってよ」
大嘘である。
学費なんて払ってないしそもそも学生じゃない。汗水垂らしてバイトもしてない。19歳なので世間の大学生様とは同じ歳であるが、所属しているのは大学じゃなくてマフィアである。犯罪集団。裏社会の掃き溜め。
勿論お金を運んでくれるパパ相手にそんな正直に言う必要もないので、誤魔化して楽にお金を手に入れる為の嘘であった。手馴れている。
確認させてください♡と言う間でもなく、ポチ袋じゃ有り得ない分厚さと重み。口角が天井を突きぬけそうなくらい上がる。満面の笑みである。必死にそれを隠して、あくまで「優しさに感動してる女」を貼り付けた。
それだけで相手は「なんて健気で良い子なんだ」と思うし、また次回ももっと喜んで欲しいとお金を持ってくるのである。なんて効率的。なんて賢い稼ぎ方。オッサンの話を延々聞くのは確かに苦痛だが、マァそれも時給で考えれば可愛いものである。
その日も沢山のお手当てとオッサンからの好意を受け取って、「また会って下さい♡」の一言と笑顔で別れる。駅の裏口まで迎えに来てくれた仕事仲間のお陰で、タクシー代だと渡された金も使わずに済む。賢い。
「ま〜たオジサンと飯食ってきたんすか。何食べたんですか？」
「何だっけ、何かこう…よく分かんない。オシャレなやつ」
さて…と舌なめずりをしてポチ袋を取り出す。が、中身を見たAはここ最近で一番の声を出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アボカドサラダ(プロフ) - 抹茶あいすさん» 嬉しいお言葉を沢山ありがとうございます！ そうですよね、私も甘い対応が多いと思うのですが夢主はそう思ってないみたいです笑 これからもよろしくお願いいたします！ (2022年7月25日 19時) (
レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶あいす(プロフ) - そんな素振りなかった、みたいなこといってますけどだいぶ甘かった気がするのは僕の気のせいでしょうか？こういった話はあまり読まないのですが､文章が読みやすくて､面白く読ましてもらってます！！更新頑張って下さい！！ (2022年7月25日 16時) (レス) @page45 id: f01e2a172c (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - 白ちゃんさん» お読みくださりありがとうございます！ (2022年7月21日 18時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 面白かったです。 (2022年7月21日 18時) (レス) @page41 id: 0a2f8cc4e7 (このIDを非表示/違反報告)
アボカドサラダ(プロフ) - ゆなんさん» 憧れだなんてありがとうございます！ 夢主も喜んでいます。文章についてもお褒め頂き嬉しい限りです。マフィアは大変ですが実力さえあれば大量の金銀が手に入る世界ですからね^^ 頂いた言葉を胸に更新頑張ります！ (2022年1月21日 8時) (レス) id: cf05fdb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アボカドサラダ | 作成日時：2021年9月18日 12時
