ネットに埋もれないで (ページ1)

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1.橙ページ1

向井「しょっぴーまた？」

渡辺「言われた通り登録したんだけど…」

向井「そういうのはね、パスワードを数回間違えるとだめなのよー」

ここ最近俺はずっと
しょっぴーのスマホ関連で付き合っている。

渡辺「悪い悪い」

と毎回メールで呼び出され
俺が色々設定してあげてるわけだけど
今日は何回もパスワードを間違えロックがかかり
呼び出されている。

渡辺「俺は間違えてない！この、スマホのキーパッドが小さいんだよ！」

向井「次のボタン押す前に確認すればよかったのに！」

でも、常に誰かといたい俺にとってみれば
この時間も楽しい時間だ。

そう思っていた時

しょっぴーがいきなり止まって

渡辺「ふっか」

と呟いた。

向井「ふっかって誰？」

渡辺「俺の、中高の同級生だよ。久しぶりに見た。」

向井「話しかけに行けば？」

渡辺「勘違いだったら嫌だし、跡をつけるだけ」

向井「周りの人にストーカーって勘違いされちゃうよ？」

渡辺「ちょっとだけ」

しょっぴーはふっかという人物の後を追うと
その人物はよくわからない建物へ入った。

そして建物の看板には

深澤事務所

と書いてあった。

渡辺「深澤事務所、何かやってるのかな？気になるし、入りたい。」

せっかくの友達ならと
俺は話すように言った。

少し重めのドアを開け
薄暗い電気の付いた階段を上がると
ガラスのドアがあった。

ゆっくり、開けると入口付近にいた
男の人に気づかれた。

？「あ、依頼ですか？」

渡辺「あ、いえ…」

深澤「翔太？」

奥の部屋からしょっぴーの名前を呼んで
出てきた男の人。

これだ、さっきしょっぴーが言ってた
ふっかさんって人。

渡辺「ふっか…」

深澤「あ、そういえば何でここに？依頼？」

渡辺「あのさ、ここで何してるの？探偵？」

深澤「あ、違うよ。ネットに埋もれた人を助ける仕事してる。」

渡辺「埋もれた人って？」

ふっかさんっていう人によれば

ネットに埋もれてしまった人というのは
毎日のように悪口を書かれたり
嘘を書かれたり
とそんな人がたくさんいるらしい。

俺がぼーっと立ち尽くしていると

俺のところに寄ってきて

深澤「俺は深澤辰哉。翔太からはふっかって呼ばれてる。よろしくね」

と自己紹介された。

俺も

向井「あ、向井康二です。しょっぴーから康二って呼ばれてます」