七色の池《諸事情により、上げ直しました！もう一度見ていただけると嬉しいです。》 (ページ25)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:25,997 hit

25.橙ページ25

鍵は開いたが通報しようと思っても
俺らは弱すぎてできなかった。
俺らが犯罪者になるかもって考えてしまったから。

この部屋からドンっていう音が響いた。

それは照兄が膝から崩れ落ちた音だった。

岩本「みんなごめん、ごめんじゃ済まされない。俺…俺が悪いんだ。言い過ぎだった。佐久間のことしか考えてなかった。元々阿部は俺の大事な弟的存在だったのに…」

深澤「お、俺もだ…俺もあべちゃんを殺したようなもんだ。最年長なのに…同期なのに」

この状況を黙ってみることしかできなかった。

この部屋からとりあえず出ないと何も進めない。
あべちゃんがいなくなった現実を
引きずってはいけない。

さっきまでいた楽屋に戻ると楽屋のソファに人がいた。

向井「間違えてますよ、楽屋…」

そう言い顔を覗き込むとあべちゃんだった。

けど心臓からは血が出たまま。

さっきの仮面を被った人がここに置いてったのだろう。

目黒「あべちゃん…」

めめがあべちゃんを呼びながら揺すっていると

さっきまでの表情が嘘のように
大粒の涙を流して泣いためめ。

向井「めめ？」

みんなが泣くめめに注目すると

目黒「あべちゃん、生きてる。暖かい。心臓も動いてるよ…」

そう言うと7人あべちゃんに駆け寄り
生存を確かめた。

めめが言ってることは事実だった。

あべちゃんを囲み数十分後

阿部「ん…」

手が動きあべちゃんが目を覚ました。

「阿部」「あべちゃん」

メンバーが心配そうに声をかけると
怯えた顔をした。

それに自分の心臓あたりから
血が出ていることにびっくりしていた。