17.黄 ページ17
今日の雑誌の撮影も7人。
カメラマン「なんか物足りないね」
このカメラマンの言葉は俺らのポーズのバリエーションがないから言ったわけではなく、佐久間と阿部がいないから言った言葉っていうのは誰もが理解していた。
けどそれに言い返す人はいない。
雑誌のインタビューは
とても喋りずらかった。
前までなら
『メンバーの中で○○なのは誰ですか？』
とか聞かれたらすぐ答えていたが
それが1番阿部だなって思うものは答えずらかった。
それは他のメンバーも同じで
その質問された時必ず最初は黙ってしまう。
するとインタビューしてくれた方が
空気を察して別のことを聞いてくる。
この方はまだ知らない。
俺らと阿部に亀裂が入っていて
佐久間が行方不明なことを。
多分、俺らがただ単に答えられないから別の質問にしたのだろう。
インタビューは俺とふっか、翔太と舘さん、康二と目黒とラウールの組み合わせで行われていた。
ふっかと俺はインタビューが終わると
自動販売機に向かいドリンクを買った。
そして楽屋に戻ると
差し入れ【阿部亮平】
と書かれていたドーナツは
箱ごとなくなっていた。
この中にいるメンバーが食べるならわかるが、箱ごとなくなるのはなぜだろう。
もしかしたら、メンバーではなく
全てを知っているマネージャーが
空気を察して箱ごとどこかに
持ってった可能性もある。
今日の仕事は雑誌のみ。
俺とふっかはカフェに寄って
注文したオムライスを食べながら
話していた。
深澤「ねぇ、俺らこのままだと思う？あの頃には戻らないのかな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：喜梨果 | 作成日時：2021年3月22日 8時
