10.赤 ページ10
料理を作り終わった…
今日の夜は8人前だった。
寂しい…悲しい…辛い…苦しい…
色々な思いがある。
リビングのテーブルに夕食を並べる。
康二の席には…置いていない。
何も置かないのも寂しいよ。
でも…現実を受け止めなければいけない。
康二は…
夕食のサラダを見て思い出す。
ミニトマトを忘れていた。
ベランダで育ててるミニトマトを取りに廊下を歩いていると目の前からラウールが走ってきた。
宮舘「ラウールどーした？」
ラウ「あ、いや、トイレ行きたいなって思って…」
宮舘「そっか…」
トイレじゃないよな？ラウール
焦ってるんだよな？
俺にはわかる
ミニトマトを取りリビングへ戻る。
いつも俺が夕食を作ってる時でもメンバーはリビングの端で喋っている。
けど今日はリビングに俺しかいない。
康二のことでみんな部屋で閉じこもってるんだろう。
けどご飯を食べないと元気が出ない。
だからそれぞれの部屋へ呼びに行った。
するとみんなは集まり自分の席へ…
いつもならここで康二がたのしく喋っているが
もう康二はいない。
康二の椅子にあるオレンジの座布団…
俺の椅子にもある赤の座布団
それは前に康二が買ってきたもの。
「はい、ふっかさんは紫！佐久間くんはピンク〜、しょっぴーは青、舘さんは赤、照兄は黄色、あべちゃんは緑、俺はオレンジ、めめは黒、ラウールは白ね！」
どんなものを見ても康二を思い出す。
俺は康二が来てから変わったって言われた。
深澤「舘さんさ、変わったね。なんか」
宮舘「え？」
深澤「前より心から笑ってるって言うか…」
ここに面接に来た時はちょっとなぁって感じてた部分もあったけどこの明るさが俺を変えるものとなった。
依頼主からは俺が変わってから
「なんか、前もここに来て依頼したことあるんですけど、そっちの方がいいですよ」
なんて言われた。
康二…
落ち着いてから
岩本「じゃあいただ…」
照が挨拶しようとすると
渡辺「待って！」
岩本「何翔太」
それを翔太が止めた。
渡辺「ねぇ、俺の部屋の前で佐久間との会話盗み聞きしてた人誰？」
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作者名：喜梨果 | 作成日時：2021年2月18日 23時
