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28 緑 ページ28
あの時ラウールくんが落としたキーホルダー。
大事なものだったんだろう。
ずっとつけてたんだろう。
そんなキーホルダーなんか見て見ぬふりは出来ず拾った。
ただただスケッチしに行っただけなのに、あの元気のない顔を見て過去の自分を思い出した。
向井さんのように俺はラウールくんを救ってあげたいと思った。
助け方は変だったかもしれないけど、最終的にこうなってよかった。
いなくならなくてよかった。
ガチャ…
ラウ「阿部くん」
阿部「ん？」
ラウ「本当にありがとうございます。俺なんて言えばいいか、伝えるのが苦手だけど、本当に助かりました。」
阿部「全然いいよ。俺だってラウールくんと同じだったから。」
ラウ「えっ」
阿部「過去にそういう思いしたからこそ。次はラウールくんの番だよ。その時は俺も手伝うから。いじめなんて簡単に消えないんだ。だからコツコツと。」
ラウ「俺も頑張る。」
阿部「てか、照かふっかが教えたんだな？俺が図書室にいること。も〜…」
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作者名：喜梨果 | 作成日時：2021年1月2日 10時
