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「これが次代アトラか・・・」

「ふむ、姫巫女に仕える人物に値すればよいが」



私をまるで品定めする視線。
不快だ、そう思うのが自然だろう。

だがそれよりも、




この視線の持ち主達は誰なのか


ここは何処なのか


そして



自分が誰かも分からない私は





どうでも良かった




何もかも




「可哀想に・・・」



ただ、最後に言われた言葉だけが





胸を強く痛めた













「アトラ、」

「・・・、」


今日もどうでもいい、そう思って見上げた空は雲一つなかった。

何か何かを呼ぶ声がしたような気もした





「?おい、」

「・・・」



このまま時が止まればいい、そうすれば本当に何も感じなくなる。

青く澄み渡った空はそれを許さないかのように、太陽の眩い光を私に向ける。


「おい!!テメェ聞いてんのか!!」

「ー、」


太陽と同じように、突き刺すような大きな音が私の耳に流れる。
空から音の鳴る方へ視界を向けると


「お前、いい度胸だなァ」


見るからに不機嫌そうに、こちらを睨む青年がいた。


「・・・誰?」


小さく呟いた私の声に、目の青年はより苛立ちを抑えられないように顔を顰めた。


「何回目だよ!!!さっき互いに名乗ったばかりだろうが」

「さっき・・・?」


それはいつだろうか。


思い返してみても何も出てこない


いや、思い返しても意味がない



何もかもどうでもいいから、


すぐ消えてしまうのだから



「ったく、こりゃあ、手が焼けるな・・・」


ぼそり、と呟いた声。
その瞬間、グイッと力強く腕を引かれる。


「ー、」


すぐ目の前に、ダークブルーの色が映る。
先程の空よりも少し暗い。
でも同じように澄み切っていた。

そのダークブルーに映る自分の姿は、ただ目を見開いていた。







「俺の名前はキール、お前はアトラだ」






「キー・・・ル、アト・・・ラ」






呟いた言葉はどれもしっくり来ない。



だが



ダークブルーの瞳から、何故だろう




目が逸らせなかった。



「いいか、俺はお前に生きる術を全て教える」

「、」

「お前はそれをただ覚えていけ」









お前の存在を守る為に







お前が守るべき存在の為に







一言一言が胸に響く。






そう、これは私が一生忘れない言葉。





さぁ、昔話をしよう。




私がキール、貴方に与えて貰った



 







私ができるまでのお話を

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設定タグ:クジラの子らは砂上に歌う , オウニ , クジ砂   
作品ジャンル:アニメ
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霧花(プロフ) - 美海-miuna-さん» 美海-miuna-様。再びコメント本当に嬉しいです!最近は更新できず、楽しみにして頂いてるのに、すみません(TT)ゆっくりでもちゃんと最後まで書こうと思ってるので、長い目で見守ってください!(^^)ここから物語がある意味始まるので、頑張ります! (2018年2月23日 17時) (レス) id: 7d4352a5a2 (このIDを非表示/違反報告)
美海-miuna- - 霧花さん» 再びコメント失礼します!更新楽しみにしてました!読んだ今、オウニがあぁぁああ!!という状態です笑読みながら涙してしまい、ますます今後の展開が気になります!! (2018年2月17日 13時) (レス) id: f365a2d487 (このIDを非表示/違反報告)
霧花(プロフ) - 美海-miuna-さん» 語り出したら止まらないです(笑)こうして、クジ砂という素晴らしい作品を通して、色々な方々と交流できて、本当に幸せです(*^^*)更新には波がありますが、今後も頑張ります! (2018年2月7日 0時) (レス) id: 7d4352a5a2 (このIDを非表示/違反報告)
霧花(プロフ) - 美海-miuna-さん» 美海-miuna-様。コメントありがとうございます!凄く嬉しいです(^^)やっと2人を会わせられました!長かったな、と私もしみじみ感じました(笑)美海-miuna-様は舞台クジ砂も好きなんですね!私も大好きです(*^^*)舞台、アニメ、漫画、全てのオウニが素敵過ぎて! (2018年2月7日 0時) (レス) id: 7d4352a5a2 (このIDを非表示/違反報告)
美海-miuna- - やっとオウニと主人公が関わるところが読めて嬉しいです!霧花さんの書くオウニもとってもかっこよくて、惚れてまうやろー!!って状態です(笑)この先どうなるのか楽しみにしています! (2018年2月6日 19時) (レス) id: f365a2d487 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧花 | 作成日時:2018年1月19日 17時

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