それぞれの希望 2

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2歳しか変わらないのに、まだユネ様自身も十分子供だったのに




ユネ様はどこまでも大人びていて、優しくて暖かかった。




お姉さんがいたらこんな感じだったのかな？
そう思えるくらい、どこまでも優しくて寂しさを埋めてくれた。



「・・・」



だから力になりたい。
ユネ様が大好きだから。

ユネ様が喜ぶから余計に“記録すること”が大好きになった。


ユネ様がいたから、たくさん友達もできた。



サイミアが上手く使えなくても頑張れた




オウニとユネ様の関係や、周りからどう思われてるのとかより、



正直



そんなユネ様が年相応に全て出せる相手がいたことに





凄く喜んでしまった自分は不謹慎なんだろうか






「・・・と、いけない！」


杭を持つ手に力が入る。
ユネへの想いはいくらでも語れるが、
今はそんなことよりも、自分が出逢った“あの少女”の為に
チャクロは登るスピードを上げた。








「っと・・・・、(あ、ドンピシャだ)」



やっとの思いで登った先に見えた光景は予想していた通りで安堵する。
だがそれも束の間だった。


「(あれ・・・・・？)」


何かがいつもと違うことに気が付く。
首長やその側近がおらず、もしかしたらと思っていた巫女の姿もない。
そこにいたのは長老達とリコス、彼女だけだった。


「(何か・・・おかしい)」


何よりその場を纏う空気感。
息を潜め、チャクロは中から聞こえる会話に耳を澄ませた。



「― 貴女の国の名前を教えて」

「・・・・」

「君は“本国”から派遣されて来たのかね？」

「・・・・」


長老達の声にリコスは応えない。
だが応えるまではこの場を解散する気などないのだろう、長老達は彼女が口を開くのを待つ。




「(“国”、“本国”、“派遣”・・・・？)」



馴染みのない言葉の数々。
チャクロは聞きなれない単語に疑問を浮かべる。
やはり長老会は外の世界のことを知っているのだろうか。
思考を巡らせていると、リコスがゆっくりと閉ざしていた口を開く。


「・・・私に尋問をするなら・・・・、先に私の質問に答えてください」


それは先ほどの問いかけの答えではなかった。


「ここは・・・“ファレナ”ですか？」





けれどその質問はすぐに答えられることはなく、
中央部に座るハクジはゆっくりと首を横に振る。

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