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昼休みになって、あたしと佑亮は草川先輩がいる談話スペースに向かった。
留美子も誘ったけど……。
「私はいい!!恵里がぼっち極めちゃうから」
「そんなこと言って本当は行きたいんでしょ?
ウチ、タカミちゃん達と食べるから別にいいよ」
「いや!!!いいです!!!口に入ったもの全部吐き出しそう」
「それはマジでやめといた方がいいね」
「草川先輩どころかあたし達も引くわ」
ってことでついて来なかった。
階段を登りながら、佑亮に話しかけた。
「ねえ聞いた?留美子が草川先輩と付き合いたいって」
「聞いた聞いた!くっつけてあげたいね!
Aと付き合えたのも、罰ゲームを考えてくれた北沢さんと背中押してくれたたくちゃんのおかげだし」
「問題はどうやってくっつけるかね……」
そもそも、草川先輩って留美子のこと好きなの?
仮に草川先輩が留美子のことを好きじゃないとして、どうやって留美子に興味を持って貰えばいいんだ……?
「あっそうだ!!」
佑亮が何か思いついたみたいだ。
佑亮に「ちょっと耳貸して」と言われて、佑亮はあたしにヒソヒソと話す。
佑亮の案を聞いて、あたしはニヤけた。
「それ、めっちゃいい……」
二人で緩む口元を押さえながら、草川先輩に近づいた。草川先輩は、あたし達に気付くと、微笑んだ。
「二人とも、おめ……」
「たくちゃん」
「ん?」
「もうすぐ期末試験だね!」
草川先輩の表情が、一気に暗くなった。
「……だから何?」
「僕達と勝負しよう!」
「はぁ?」
「現代文と英語で、あたしと佑亮の合計点を超えられなかったら、留美子と一週間付き合う罰ゲームです」
「……俺1人の点数と川村さんと佑亮2人の点数で競うわけ?」
「そうです」
例えば、あたしが30点、佑亮が35点取ったら、あたし達の合計点は65点になる。だから、草川先輩は1人で66点以上取らなければいけない。
草川先輩は、圧倒的に不利だ。でも、あたしも圧倒的に不利な競争に参加させられて佑亮と付き合うことになったから。
「絶対嫌だ」
「たくちゃんが勝ったらGDのライブチケット取ってあげる」
「受けて立とう」
これは、あたし達なりの恩返しであり、仕返しでもある。
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こいずみ(プロフ) - ももさん» ここまできたら卒業書くしかないですね……笑 (2018年9月18日 11時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
もも - これは高校卒業時期の話が気になります…楽しみに待っています (2018年9月17日 2時) (レス) id: c60f7736c8 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - ももさん» わあああまたコメントくださってありがとうございます!!癒しだなんて、、ちょいちょい更新していきます! (2018年9月5日 9時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
もも - 続きが更新されてる!!ありがとうございます!待ってました。本当にこの小説癒しです (2018年9月4日 19時) (レス) id: c60f7736c8 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - HYさん» ありがとうございます(;_;)!!リクエストまで……!!考えてみます!!嫁の尻に敷かれるユースケくん想像できすぎますね笑 (2018年2月5日 23時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こいずみ | 作成日時:2017年8月12日 12時