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「ねー、この稜雅さんめっちゃかっこよくない?」
「ほんとだー、前髪が目にかかってる感じすごい似合うよね」
「わ!か!る!」
静かな教室の中で、稜雅さんの公式SNSに載せられている画像をあたしのスマホで見ながら、きゃっきゃきゃっきゃ。
あたしの前の席に座ってる留美子と恵里が、あたしの方をポカーンと見つめていて、留美子が恐る恐るあたしに話しかけた。
「……あ、あの、A?」
「ん?」
「そ、その……」
留美子は自分の髪の毛を指す。
「……あぁ、三つ編み?ちょっと気合い入った」
留美子と恵里は理解したようなしてないような顔で頷いた。
「……で、お隣の方って……?」
「佑亮だよ」
「……はい?」
「福田佑亮」
恵里は口を押さえて目を見開いた。
教室内も一気にざわめきだした。
「えっ……、ガチで地味男!?」
佑亮は爽やかな笑顔で対応する。
「はいっ、元地味男です」
留美子と恵里は顔を見合わせた。
「あたし達、付き合ったから」
「……あ、え?おめでと……え!?」
「マジ!?付き合ったの!?」
留美子が私の机に身を乗り出した。
「んっふっふっふ……」
ドヤァ……という気持ちを込めてあたしは笑った。
すると、留美子も恵里も、だんだん嬉しそうな顔に変わっていった。
「おめでとう!!!」
「……え?」
留美子が純粋に祝ってくれるとは思わなくて、あたしは戸惑う。
「草川先輩と『くっつけたいね』って話してたからさ。安心しましたわ」
草川先輩と?くっつけたいね?え?
留美子が?草川先輩と?
「は?いつの間に草川先輩と話したの?」
「実は最終日の昼休みにさ……」
留美子は、罰ゲーム最終日の昼休みに教室に草川先輩が来て留美子とラインを交換したことから、あたし達の現状を留美子を通して知った草川先輩があたし達の背中を押してくれたことまで、全部話してくれた。
その話を聞いて、佑亮はほんわかした顔をしていた。
「なんか、たくちゃんと北沢さん、恋のキューピットみたいだね」
「……まあ、そうだね」
罰ゲーム中はマジで悪魔だったけど。
留美子と草川先輩に感謝する義理はある。
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こいずみ(プロフ) - ももさん» ここまできたら卒業書くしかないですね……笑 (2018年9月18日 11時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
もも - これは高校卒業時期の話が気になります…楽しみに待っています (2018年9月17日 2時) (レス) id: c60f7736c8 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - ももさん» わあああまたコメントくださってありがとうございます!!癒しだなんて、、ちょいちょい更新していきます! (2018年9月5日 9時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
もも - 続きが更新されてる!!ありがとうございます!待ってました。本当にこの小説癒しです (2018年9月4日 19時) (レス) id: c60f7736c8 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - HYさん» ありがとうございます(;_;)!!リクエストまで……!!考えてみます!!嫁の尻に敷かれるユースケくん想像できすぎますね笑 (2018年2月5日 23時) (レス) id: 497c91c86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こいずみ | 作成日時:2017年8月12日 12時