地味男と一週間の罰ゲーム２ (ページ25)

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次の日の日曜日。
昨日の夜に来た、たくちゃんのお誘いで、遊ぶことになった。

たくちゃんどこ行きたい?
佑亮カラオケ!
たくちゃん俺歌わないから
佑亮えーーー

そういう流れで、僕達はカラオケにいる。
僕はメガネをしていない。
たくちゃんと遊ぶときはいつもそう。

「たくちゃん本当に歌わないのー！？」

「やだよ」

たくちゃんは歌が苦手だから、僕のワンマンライブみたいになってる。でもマラカスとか振って盛り上げようとはしてくれてる、一応。

「じゃあさ、一緒に歌おう！？ほら、吉野晃一の歌あるよ！」

たくちゃんに無理矢理マイクを持たせて一緒に歌ったりして、お昼前にカラオケから出た。
部屋から出ると、前から歩いてくる二人組。
すぐにわかっちゃう。Aと北沢さん。

僕達に気付いた北沢さんはAの後ろに隠れて、涙目になりながらたくちゃんのことを見ていた。
Aがたくちゃんに話しかける。

「草川先輩。こんにちは」

北沢さんは目を見開いてAを見た。

「話しかけんの！？」

「あっ、川村さん」

たくちゃんは二人にニコッと笑う。

「A、認知されてんの！？」

「……いや～、うん、まあ」

Aと目が合ったその瞬間、Aの動きが止まった。

しばらく無言の時間が流れて、Aはまた動き出した。

「ねえ留美子。時間無くなるし、部屋行こ？」

北沢さんはAに話しかけられてもたくちゃんを放心状態で見つめたままだった。

「……"留美子"って……あの"留美子"？」

たくちゃんが反応する。
たくちゃんは多分、この罰ゲームを始めた北沢さんのことが気になってる。

「な、何のことでしょうかねぇ？？
留美子さん行きましょうか！！ね！！
じゃあさようなら！！」

明らかに焦ってる様子のAはそう言って、北沢さんを引きずって部屋に入っていった。

北沢さん、僕に気づかなかったな……。

やけに声のトーンが高いお姉さんにお会計をしてもらって、僕達はカラオケから出て近くのファミレスに入った。

「そう言えば、デートどうだったの？」

たくちゃんにそう聞かれて、僕は財布からプリクラを出す。

「ジャーン！」

「え……、プリクラ？」

「うん」

たくちゃんは僕の手からプリクラを取って、まじまじと眺めた。

「あ、メガネ外したんだ」

「うん。光が反射するからって」

たくちゃんは、ふーんと言いながら、少し優しい顔をした。