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 驚くことに、ロビーの右脇の方に寄せられている棚の中にはお菓子がぎっしりと詰まっていた。それに、スナック菓子や駄菓子など、種類別に分けられているとも来た。取りやすくていいシステムだな。
 皆が好きなお菓子を持って、各々好きな場所に行く。例えば、近江さんはスルメイカを持って自室へ。チョイスがおばあちゃんみたい。高一の二人は、ロビーのソファーに座ってポテチをシェアしていた。

 わたしはポテチの袋をふたつ持って部屋に帰ると、玄関口の棚に見覚えのある白い紙が置いてあった。恐らく、昨夜カバンの中に入っていた白紙の紙と同じようなものだろう。普通に怖い。

 とりあえず紙をプライベートルームに置いてあるゴミ箱に捨てて、ポテチの袋を開けて食べ始める。ついでに、近江さんに貰った新入生を含めた寮生一覧のリストを読む。やっぱり、わたしは薄塩味が一番好きだ。コンソメ味も好きだけどね。

「んー、一人だとやること無くて暇だな〜」

 これは読書をしながら夕食までしかないな、と思っていると、ふとベルの音がした。聞こえたのは窓の方からかな。

「あれ、誰もいない?」

 しかし、窓際へ行って窓を開けても誰もいない。なんだよ、わたしはホラーゲームの世界に来ちゃったのか? わたし、幽霊に襲われちゃったりしちゃう?
 というホラー体験をしたところだけど、まあ流石は周りから『図太い』と言われる精神性。自分の力に驕っている訳では無いけれど、特に気にせず一冊目の本に手をかけている。

 そして、特に何も怒らないまま夕食の時間になった。本については既に二冊も読破しちゃったけど、予想通りだ。気にしないことにしよう。

「お昼ぶり〜、今日の夕ご飯は涙華だよ!」
「誤解を招くような言い方はやめてよ、寮長!」

 いつも通り元気な寮長に若干呆れつつ、真泉さんの料理に期待する。あんまり料理が上手そうな印象はないけど、どうなんだろう。三年間ずっとこのシステムでやってきてるなら、人並みに上手いことは有り得るよね。

「お待ちどう、今日はハンバーグでーす!」

 しばらくみんなと話しながら待っていると、お皿に乗ったハンバーグが運ばれてきた。お店のみたいで美味しそう。

 いつものようにみんなで声を合わせて「いただきます」の挨拶をし、ハンバーグを食べ始めた。目の前で食べる寮長の一口は、とても大きい。
 わたしも小さめに一欠片を切り取り、それを口に運んだ。

「……あ、美味しい!」

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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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