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「──わぁ」

 寮庭に踏み入ったわたしは、びっくりした。これはもう庭の次元を超えている。ジャングルといった方が正しいかもしれない。バカみたいに広くて、緑が生い茂ってる。
 ここで寮長を探すの、はっきり言って無理ゲーでは?

「魔法を使えれば、まだなんとか……。とりあえず、お願いします」

 あ、近江さんに置いてけぼりにされた。助言してくれたのは嬉しいけど、あんまり嬉しくないな。後輩への対応がちょっと酷いかも。
 そもそも新入生のわたしが魔法を使っていいのかも分からない。使い方も分からないけどね。

 とりあえず、落ち着いて捜索に取り組むことにした。落ち着け、わたし。冷静に行こう、環 凪咲。

「りょーちょー、どこですか〜?!」

 声を張り上げ、木々の間を潜りながら寮長を探す。この作業、意外と大変なんだよね。あと近所迷惑説。……流石にないか。

 それから体感で約三十分。未だに寮長は見つからず、他の人からの連絡もない。そろそろ少し疲れてきたから、入口に戻って一休みしようか。

「……待てよ」

 前も後ろも、右も左も樹木だ。それだけしかない。つまりは、遭難である。もしくは迷子、というのもあるかも。どっちにしろ緊急事態。なんとか脱出しなきゃな。

 目を瞑り、意識を上の方へと飛ばしていく。幽体離脱、とかさすがに出来ないよねぇ……。と思っていたのも束の間、ここで予想外のことが起こった。

 急に寮庭を、ダイヤモンド寮を俯瞰する形となったのだ。今現在だと絶妙に役に立たない。あれ、でも自分の位置が分かる。ここから体も動かせないかな……?

「うぁー、流石にまだ無理だった。でも、寮の方角はわかったよ!」

 にしても、ここの寮庭でか過ぎない? 一個の公園レベルの広さがあるよ……。しかもわたしは奥の方まで来ちゃってたから、帰るのはとっても大変そう。

「他にも魔法って使えるのかな?」

 そう思いつき、木に手をあててみた。そして、そのまま何かを注ぎ込むイメージで軽く力を入れてみる。すると──

「あっ、動いた!」

 枝が気持ち悪くうにょっとうねる。タコみたいで可愛い。けど気持ち悪い。とりあえず、今のところは役に立たなさそう。

 さて、帰りますか。

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過去の矛盾点と前話の誤字を直してきました。
いつも以上の口語系地の文でお送りします。

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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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