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「え……?」

 告げられた『該当寮なし』の言葉。生徒会長のミナクラさんも、少しだけ驚愕した表情をしていた。でも、なんでだろう。わたしは自分の魔力結晶をきちんと届けたはずだ。

「……環さん、後で理事長室に来てください」
「は、はい!」

 お、怒られないよね……? とりあえず理事長の言葉に恐々ながらに返事をして、静かに椅子に座り込んだ。その後は、ちょっとした怖さでガタガタ震えていた。だから、その後の話も何も入ってこなかったよ。

 そして、入学式は終わる。その後私は、入学式場である体育館と理事長室のある校舎を繋ぐ、まさにメルヘンチックな虹の橋を渡った。ユリ達他の一年生は、まだ体育館で待機中。私だけ、校舎に来ることになったのだ。

 校舎につくと、先にミナクラさんから手渡された学園内マップを利用して理事長室を探す。今更気づいたけど、この学園はかなり広い。流石は日本唯一の国立魔法学園、と言ったところだ。
 校舎を徘徊していると、時間が経つにつれ人が多くなってくることが分かる。うう、いっぱいの視線が精神的に痛い。早く理事長室を見つけなくちゃ。

 人が増えると同時に、人にぶつかる頻度も増えてくる。その度謝り、相手の反応は睨んできたり謝ってきたりと、様々。いくら生意気そうだからって睨むのはないじゃない。

「あっ、ごめんなさい!」
「こ、こちらこそ、ごめんなさい……」

 そんなことを考えてるうちに、また人とぶつかってしまった。ぶつかっちゃったのは気弱そうな女の子。身長は私より少し高いくらいかな? とっても華奢ですぐに折れてしまいそうだ。

「その地図……もしかして迷子ですか?」
「お恥ずかしながら……そうです……」

 女の子の問いかけに消え入りそうな声で答える。こんな時にビビっちゃうなんて、わたしらしくないな。その後はとりあえず、女の子に案内してもらえることになった。

「私は近江 千寿(おうみ ちとせ)です。この学園の中等部三年生、生徒会副会長をしています」

 理事長室への道筋を歩んでいく内にわたし達は自己紹介をしていた。女の子──オウミさんがサラッと重大発言したのは気のせい? いや、ちゃんと言ってた。『生徒会副会長をしている』って。

 そんなこんなしているうちに、理事長室に着いたみたい。ちょっと不安だから、オウミさんにもついてきてもらうことになった。うぅ、どんなことを言われるんだろう……。

◇→←【序章 / ダイヤモンドの煌めき】



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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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