偽りの笑顔2 【紫】 (ページ14)

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わからん。なんでこーなってるんか。

なんで俺は1人なん？

いや、1人やないやん！俺らがおる！

なんで、忘れてるん？

それでええんよ！
今の濵ちゃんには必要なんよ！
なんも間違ってない！

曲を通して、俺の疑問に2人が語りかけてくる。

この曲が、おれらにとって、とてもとても大切な曲だということがわかる。

しげちゃんも、神ちゃんも、

流星も、望も、

照史も、淳太も、

誰ひとりとして、忘れてもうてる俺を責めへん。

もしかしたら辞めるかもなんて言うてんのに、みんなが俺が決めることやと言う。

優しすぎるやろ。

こんなにも、最高のメンバーとグループになれてるのに。

俺は…！！

赤「濵ちゃん！！！」
緑「濵ちゃん！！！」

気づいたら、歌は終わってた。

全然止まってくれへん涙。

そんな俺に、同じく涙と鼻水でぐしょぐしょのしげと神ちゃんが楽器を放って抱きついてきた。

赤「濵ちゃん！濵ちゃん！濵ちゃん！」

『しげ、ちゃん、あの、』

赤「ありがとう！ほんまありがとう！！」

『あの、俺、その、』

緑「濵ちゃん。大丈夫。分かってるよ。まだ、なんやろ？」

『あ、えっと、ごめん。』

緑「ううん。責めとんのとちゃうよ。俺ら嬉しいねん！」

嬉しい？記憶、戻ったわけやないのに？

緑「やっぱり、濵ちゃんは濵ちゃんやった！俺らのこと、この曲のこと、忘れてへんかった！！」

『俺…不思議や…この曲知らんはずやのに、歌えてん。なんでやろ。』

赤「だって！そんなん当たり前やん！これ、俺らいっぱい歌ったもん！！」

覚えてなくても、体には、残ってるってこと？

赤「それに！！間違っちゃいないは、濵ちゃんが言うてくれた言葉やんか！！」

『おれ？』

赤「そうやで！！悩んでた俺に、『間違ってないよ！』って、濵ちゃんがゆうてくれたん！あの日、俺がどんだけ救われたか！！」

緑「そうやで！濵ちゃんがおってくれるから、グループが成り立ってると思ってるんよ！」

『……俺、役に立ってる、？』

赤緑「あたりまえやんか！！」

2人の声が、ストンって胸に落ちた気がした。

お世辞でも、同情でもない。

本心なんやって。

ちゃんと、伝わってくる声やった。

『でも、みんなに迷惑かけてもうて、』

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