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『なぁ、答えてや。なんで、、、キスしたん?』
しげの目が、じっと俺を見つめてくる。
少しばかりの涙を浮かべて、怒った顔なのにどこか不安そうで。
あぁ。
そうや。
どこまでも真っ直ぐで、自信ありそうでなくて、色んなことを1人で抱え込んで、がむしゃらに立ち向かっていく。
そんなしげが、俺は…
「俺は、メンバーとしてのしげが好きや。」
『ッ』
「そう、思い込んでた。メンバーの1人として、しげを支えたい。そう思ったから、一緒に寝ることも提案した。」
『…そっか。』
「でもな…。途中からその気持ちも変わっていったんよ。なんでしげは俺の隣におらんのやろ。なんで、俺以外の人とも寝れるんやろって…。たぶん、しげと寝る他のメンバーに嫉妬してたんやと思う。」
『…それって、』
「自分でも、認めたくなくて、離れてみたりしたけど、気持ちは増すばっかりやった。俺のそばに置いときたい。しげは俺のやのに。って、俺のもんでもないのにさ。」
『ック、かみちゃん、』
「もう、隠さんでもええよな。……しげ、好きや。……好きやから、しげにキスした。」
『!!ッ、神ちゃん、それ、ほんま?』
「うん。俺も、しげが好き。しげと、同じ気持ちやで。」
『うぅぅぅ!!神ちゃーーーん!!!』
-ギューゥ!-
勢いよく首に回された腕。耳元にかかる吐息。
しげの匂い。
まだ下がりきってないんかな。
いつもより高い体温。
少しずつこぼすことになった俺の気持ち。
今まで隠してたのが嘘みたいに、愛しさが溢れてしゃぁない。
ギューって、お返しのように俺もしげの体に腕を回した。
『うぅっ!神ちゃんのあほぉぉ。おれ、ほんまに出てかなあかんって思って、めっちゃ怖かったんやからなー!!』
「ん。ごめんな。しげ、まだ、出ていきたいって思う?」
『もぉ!あほ神ちゃん!!ほんまに出ていきたいとか、思うわけないやんか!俺はずっとここにおりたいもん!!』
「よかった。俺も、ずっとここにおってほしい。」
神ちゃん!!って、何度も名前を呼ばれて、回された腕をギュウギュウにしめてくる子を、俺は優しく抱きしめる。
「ほんまに出ていかれてたら俺、どえしてたかわからんわ。」
『ふふ。そんなに俺の事好きなん?』
「好きやで。」
俺の一言に、しげのニヤニヤ顔が一変。一気に真っ赤になった目の前の子に、今度は俺のニヤニヤが止まらへんくなった。
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あおい(プロフ) - 続きが次の日の楽しみで活力です笑笑 (5月21日 0時) (レス) id: 7f31463400 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 早く続きみたい!!😖 (5月14日 10時) (レス) id: 7f31463400 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - こんにちは!このストーリー大好きです!是非続き見させてください! (2022年12月18日 9時) (レス) @page13 id: 46e7d5576d (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民(プロフ) - 無理のないように続きを更新して欲しいです! (2022年1月25日 17時) (レス) @page13 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
カドケシ(プロフ) - 続きが読みたいです〜!! (2022年1月16日 21時) (レス) @page13 id: 05636aee53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キリアイ | 作成日時:2021年11月22日 20時