眠らない姫 【JW緑赤】

#32 ページ32

目が覚めた。

辺りは案の定真っ暗で、手を伸ばして見た携帯の画面には、起きるにはまだ早い時刻が示されていた。


起きた状態で転んどるのしんどいんよなぁ〜。


俺はゆっくりと望の腕から抜け出した。




リビングのソファに座って携帯を開くと、1件の通知。



神ちゃんや…。


智洋しげ、ちゃんと寝てるか?



はぁ。この子はいつまでたっても俺の心配ばっかして！

時々、抜き打ち検査や！ゆうて、夜中にメールしてくる事がある。

これに対する返事の時間で、ちゃんと寝れてるかのチェックしてるらしい。

まぁ、もう気づいてもうてるから検査もなにもないんやけどさ。



智洋頼むから、無理せんといてな。最近会えてないからちょっと気になってる…。明日、…てか今日やな。今日の撮影も頑張ってな!



神ちゃんやって、自分もセリフ覚えたりで忙しいのに…。


ありがとう。



【お、れ、は、大丈夫、や……】


そこまで打って、慌てて消した。


あかん！あかん！今返信したらまた起きてたことバレてまうやん！！


あっぶな〜！俺やって、もうあんなヘマはせぇへんよ！！




けど、神ちゃんに寝れてるか、なんて聞かれて、正直に寝れてる！大丈夫！と言えん状況が、なんだか申し訳なくなった。





「しゃぁない。今日は寝よか。」



俺はもう一度、ベットに入り直して望の腕の中におさまって眠りについた。



なんでやろ。神ちゃんの名前見てから、少しリラックスできた気がすんのよ。



今日は、もう1回寝れそうや……。

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