・ ページ9
「照史。今日は俺ん家に来い。」
『でも、』
「ええから来るの。な！」
『…わかった。』
帰りに照史ん家に寄れば、そこは想像以上の荒れ具合に少しだけ声が出んかった。
せめてもの救いは、愛犬の世話だけはちゃんとしてくれとったこと。
きっと、それだけが唯一の癒しやったんやと思う。
よかった。と思うと同時に、なんも出来てなかった自分を悔やむ。
よし！愛犬2匹のお世話セットも用意できたし、ご主人様と一緒にしばらく預かりますか！
俺の家につき、ご飯を食べておふろもすました。あとは寝るだけ。
「ほら照史。おいで。」
俺が声をかければ、申し訳なさげに入ってきた。
顔を見られたくないからとすぐに背を向けられる。
いつもならそのまま離れてねるんやけど、今日はがまんできひん！
『えっ！？淳太くん！？』
背後から抱きついて、そのまま服の中に手を入れた。
『ﾔｯ、やめてぇや！淳太くん！アッ！』
ある箇所に触れた時、照史の体に力が入った。嫌、か…。そりゃそうよな。
俺の指は、細くプヨプヨと盛り上がった皮膚の上で止まった。その隣に指を動かせば、同じ細さでも今度はカリッとひっかかる。
新しい傷。古い傷。たくさんのそれが、いたるところについている。
その全てに腹が立つ。
『ｯｸ…んなさい…ごめんなさい。』
「…何に謝ってんの。」
『…だって。淳太くん怒ってるやろ？俺が、いっぱい迷惑かけてるから…。体も、傷つけちゃったし…』
「…そうやな。」
『だから、』
「なぁ照史。俺は怒ってる。なんで照史はこんなんなるまで言うてくれんかったんやろ。って……。
でもな、それ以上に、気づいてやれんかった自分に腹が立ってるよ。」
『なんで！？淳太くんは悪くないやん！悪いのは、』
「悪いのは俺でも照史でもない！
お前は頑張っただけや。ずっと、1人で頑張ってた。
………これも、その証やろ？」
そう言ってもう一度腹を撫でれば、チクチクとするんか照史がみをよじった。
『じゅんたくぅん。それぃやぁ…。』
「ほな約束して。今度からは、ちゃんと俺に話すって。1人で抱え込まんって言え！」
『無理やってぇ！！』
そう言った照史は、イヤイヤしながら顔を手で覆ってもうた。
ったく。まだなんかあんのんか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はまち(プロフ) - キリアイさん» リクエスト答えていただきありがとうございました！良かったです！またいい案浮かんだらリクエストお願いしたいです。 (2021年6月13日 12時) (
レス) id: e655605ff2 (このIDを非表示/違反報告)
キリアイ(プロフ) - はまちさん» はまち様、大変遅くなりましたが、リクエスト作品を書かせて頂きましたのでご報告します。ご要望通りになっていなかったらすみません。お時間ある時に、読んでみてください。ありがとうございました！ (2021年6月13日 11時) (レス) id: d3e17129ce (このIDを非表示/違反報告)
キリアイ(プロフ) - はまちさん» はまち様、リクエストありがとうございます！桃紫ストーリーの続きですね！かしこまりました！他の作品と並行しているために更新が遅くなると思いますが、必ず書き上げますので、気長に待っていただけると幸いです！ (2021年4月11日 18時) (レス) id: d3e17129ce (このIDを非表示/違反報告)
nonno(プロフ) - キリアイさん» リクエスト応えてくださりありがとうございます！この作品大好きなのでこれからも頑張ってください！ (2021年4月11日 16時) (レス) id: 015e282206 (このIDを非表示/違反報告)
はまち(プロフ) - はじめまして。前の話の続きで、ストレスで耐えきれなくなった�陲舛磴鵑鮖戮┐討い�のんちゃんの話をリクエストしたいです。後々メンバー全員が気づく感じでお願いします！�陲舛磴鵑寮鎖西�態少し重めがいいです！ (2021年4月11日 15時) (レス) id: e655605ff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キリアイ | 作成日時：2020年12月30日 23時
