11話 単なる償い ページ14
彼女の夢はまだはっきりとしていない。
ただ大切な人を守りたいという思いはある。
だが何をすればいいのか分からないのだ。
強くなればいいのか?
優しくなればいいのか?
どうすればいいのかさっぱり分からなかった。
なぜなら彼女の心の奥底にある黒い感情は
昔ある妖怪…鬼を生み出し、
大切な人を傷つけたことがあるからだった。
だからそんなことが無いように、
もう二度と同じ間違いをしないように…
そんな後ろめたい思いもあったからだ。
―――――――――――――果たしてそれは夢と言えるだろうか?
「…私の夢は単なる…償いなのか?」
風は小さな声でつぶやいた。
心なしか視界はぼやけている。
単に彼女は夢を持っている人間がうらやましかった。
だから多くの人の夢を聞くたびに
彼女の心にはどんどん嫉妬の感情が芽生えて行った。
「…私の夢は、小さいものだな」
また小さな声でそうつぶやいた。
だが今度は葉とホロホロの戦いの音にその小さな声はかき消される。
その時、誰も気付けるはずがなかった。
風が一人静かに涙を流していたことを。
なぜなら二人の戦いは終盤へと入っていたからだ。
風が再び前を見ると、
二人は最大限の巫力でぶつかり合っていた。
…強い、
風はその光景を見てそう思ったのであった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年8月19日 5時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪狐@どうでもいいけどマカロン食べたい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykktnhomupe/
作成日時:2015年1月1日 15時