検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:149,346 hit

第90話 ページ10




迅はぽん、と私の頭に手を置くと、そのまま髪を梳き始めた。


肩にはらりと白い髪が落ちてくる。



A「…ずっと寝てたし、やっぱり髪ボサボサしてる?」


迅「いーや、綺麗。大丈夫」


A「またそういうこと言って」



軽く迅をにらむと、本心なのになーなんて呟きながら髪をくるくるといじっていた。

しばらく間を置くと、いじるのをやめて切り出す。



迅「___ヒュースが、うちの捕虜になった」


A「!…やっぱり、置いていかれたんだね」



リアムと予想していたとはいえ、衝撃が走る。…ヒュースにとってはショックだろうな。


大規模侵攻中に会った彼を思い出す。



A「あの、ヒュースのこと本部には、…」


迅「報告はしたけど、安心していい。しばらく玉狛の地下室にいることになったから」



良かった、とため息をつく。城戸さん派の人たちは拷問するとか言い出すかもしれないし。

ヒュースがひどい目にあうのは、見ていられないから。



A「今から会うことって出来る?」


迅「病院抜け出すつもりかよ、普通にダメだろ…」



安静に寝てろ、と肩を押されるとぽすんと簡単に体がベッドに埋まる。

四日間も休息をとったくせして、私の体はまだ本調子ではないらしい。



迅「明日にしとけって。急に本部に移送、なんてことにはならないから」


A「でも、…」


迅「じゃあアイツに、Aが会いたがってたって伝えとくから」


A「__...分かった、お願い」



信じてた祖国に置いていかれて、祖国の主人が危険で…不安なはず、なんだよなあ。

その感情の片鱗さえ、外に出したりはしないだろうけれど。


 

第91話→←第89話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
428人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

フォルテ(プロフ) - kasunana__ka10iさん、コメントありがとうございます。続編は先ほどまで準備中でしたが、只今公開しましたのでご覧くださいませ!お待たせいたしました。 (2021年2月18日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
kasunana__ka10i(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいています!続編のパスワードはどこでみたらわかりますか? (2021年2月18日 18時) (レス) id: 74459d3d5c (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - ゆかりさん、コメントありがとうございます。少しでもお勉強の励みになれたら幸いです。これからも更新頑張ります! (2021年2月17日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 受験勉強の息抜きに見てるんですが、やっぱり面白いです。これからも応援してます。更新頑張ってください。 (2021年2月17日 15時) (レス) id: 62a35361d3 (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - まるさん、 コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!先程ご指摘いただいた箇所に修正を加えました。主要キャラクターの名前ミスはお恥ずかしい限りです…また誤字や不適切な表現があれば教えて頂けると幸いです! (2021年2月17日 14時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フォルテ | 作成日時:2021年2月6日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。