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「――え？」
「だーかーらーぁ……」
もう、何回このくだりをしただろうか。
いい加減に飽きてきた。
……いや、彼は笑ってるから楽しんでるんだろうな。
「……もういいや」
結局諦めた私。
このままじゃ埒があかない。
ごめんって、と笑いながら歩みを進めた私に早足で追いつく彼。
「いや、Aがホントにマネージャーやってくれるとは思わなかったからさ」
そう、彼とは赤葦君だ。
あの日から一緒に登校をするようになったのだ。
帰りも一緒に居たいという私の密かな思いから、マネージャーの話を受けたのだ。
……待って。
マネージャーになったら朝一緒に登校できないじゃん。
……まぁ、それでバレー部の人達を支えられるならいいか。
「ありがと、好き」
こういうナチュラルに想いを伝えてくるところも好き。
これだから、不安になるんだ。
こんなに素敵な人と私が付き合ってて、良いのかな……。
それに最近、私と付き合い始めてからかな。
笑顔が素敵！って赤葦君の株は急上昇。
対して、私には視線が鋭い。
「何で急にやってくれる気になったの？」
嬉しそうに私の顔を覗き込んでくる赤葦君に溜息を吐いて説明をする。
……元々、人を支えるのが好きだった。
でも、あれを患ってから人と関わるのが怖くなった。
それから自然と興味を無くしてったのかな。
それから赤葦君を好きになって、治って。
もう気にしながら過ごす日々は来ないんだなーって思ったら、急に誰かを支えたくなっちゃって。
だからやりたいなって。
「ふふ、そっか」
嬉しそうに、愛おしそうに目を細める彼。
私は恥ずかしくなって、眩しすぎる彼から目を逸らす。
「ねぇA、まだ名前で呼んでくれないの？」
「え、あー……」
ずっと、保留にしてたんだった。
恥ずかしいんだよね、改めて呼ぶってなると。
「京治……くん……」
小さく呼んでみる。
……まだ君付けだけど。
チラッと彼を見てみると、片手で口元を隠して耳まで真っ赤にしていた。
思わず驚いて目を丸くする。
彼は恥ずかしそうに、ちょっと見ないで……と顔を逸らす。
「はぁー……、つら……」
こんな彼を見るのは初めてかもしれない。
でも、それだけ好いててくれてるんだって思うと頬が緩む。
「何？」
私が笑ってるのに気付き、目を向けて不満そうにする彼。
そんな彼の頬に、キスを落とす。
目を見開く彼に言葉を告げる。
「仕返しッ！」
おわり。
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桜雨-sagume-(プロフ) - 花っち�擦気�» あっ、あっ、ありがとうございます！！更新はノロマですけど頑張りますっ！！！ (2020年2月13日 9時) (
レス) id: b20b2dae4d (このIDを非表示/違反報告)
花っち�� - 奇病系初めて読んだんですが…面白いですね、せつないお話大好きです。ありがとうございます。 (2020年2月6日 18時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雨さん | 作成日時：2018年11月27日 0時
